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「生成AI」使用巡り著名歌手がアニメイベント出演辞退「クリエイティブに対する姿勢の相違」 主催者「自覚が足りなかった」と謝罪(1/3 ページ)

問題視された生成AIイラストは差し替えられている。

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 アニメファンでもあるプロの演奏家で構成されたアニメ音楽を専門とする音楽団体「池袋アニメーションフィルハーモニー」(以下、池袋アニメフィル)は19日、演奏会チラシや公式サイトなどに掲載していた画像が生成AIを用いて作られたものだったとして謝罪した。


現在はイラストが差し替えられている「池袋アニメーションフィルハーモニー」公式サイト

チラシなどのビジュアルに生成AIイラストを使用していた

 池袋アニメフィルはX(Twitter)で、「アニメ専門オーケストラなのに生成AI画像を使うのは良くないのではないか」との指摘を多数受けており、ゲスト参加する予定だった歌手の高橋洋子さんからも「アニメ音楽に関わる立場として、こうした状況での出演は好ましくない」と申し入れ。クリエイティブに対する姿勢の相違が判明した以上、出演しないと判断されたと報告している。

 同団体はデビュー公演となる、第1回コンサートを7月10日に開催するにあたりクラウドファンディングで支援を呼び掛けており、問題となっているイラストはその支援呼びかけ時から使用していた。イラスト自体は無料の素材サイトからダウンロードしたもので、その素材サイトには生成AIで作成されたことが明記されていた。開催決定後も、当イベントのチラシや公式サイトなどで使われており、ネットでは「アニメを愛するとうたっていながら、生成AIイラストを使っているのはどういうことだ」と疑問視する声が寄せられていた。

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 生成AIの利用については、アニメやイラストなどの作品を不適切に「元ネタ」とするなど権利侵害に関わるケースが指摘されている。


問題視された生成AIイラスト(現在は削除済み)

歌手の高橋洋子さん、運営の姿勢について自身の想いと異なる

 今回、高橋洋子さんが出演を辞退したことを受け、同団体は「アニメを愛する楽団を名乗っているのにもかかわらず、昨今の生成AIを取り巻く問題について自覚が足りなかったことを恥じております」「作品に対する配慮、アニメやそれに関わるクリエイティブを愛する皆様の気持ちを汲み取れなかったことに気付き、実行委員一同深く反省しております」と謝罪。生成AIイラストの使用は取りやめ、新規にイラストレーターに依頼した作品に差し替えた。

 なお、チケットを既に購入済みで希望があれば、キャンセルと返金を受け付けるとしている。

 高橋洋子さんも自身のXで演奏会への出演を取りやめたことを報告。運営の姿勢について自身の想いと異なり、アーティストとして向き合うことができないと悩んだことなどを明かし、「アニメを深く愛する皆様の気持ちを最も大事にしたいと思っております」とつづっている。

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