「生成AI」使用巡り出演者辞退のアニメイベント、協賛企業も辞退「信頼関係の構築が難しいと判断」(1/3 ページ)
主催者がコメントを発表。
アニメ音楽を専門とする音楽団体「池袋アニメーションフィルハーモニー」(以下、池袋アニメフィル)の第1回演奏会への協賛を表明していたサウンドハウスが20日、協賛を辞退することにしたと公式サイトで明らかにした。
生成AIイラストを巡り出演辞退に発展
同団体はアニメ音楽を専門とする、池袋を拠点に活動していくオーケストラ。アニメファンでもあるプロの演奏家で構成されており、アニメ文化を世界の伝統へ昇華することを目標に結成。7月10日には第1回コンサートが予定されている。コンサートには歌手の高橋洋子さんがゲスト出演するはずだったが、チラシや公式サイトなどに掲載していた画像が生成AIを用いて作られたものだったことで、主催者側との「姿勢の相違」があるとして出演を辞退する騒ぎになった。
池袋アニメフィルは「アニメを愛する楽団を名乗っているのにもかかわらず、昨今の生成AIを取り巻く問題について自覚が足りなかったことを恥じております」「作品に対する配慮、アニメやそれに関わるクリエイティブを愛する皆様の気持ちを汲み取れなかったことに気付き、実行委員一同深く反省しております」と謝罪。生成AIイラストの使用は取りやめ、新規にイラストレーターに依頼した作品に差し替えている。なお、実行委員会や演奏者の中からも出演辞退が続いた。
協賛企業が辞退を表明
サウンドハウスは演奏会実施に向けた、クラウドファンディングサイトでの支援呼び掛け時から協賛に名乗りを上げていた音響機器や楽器の販売企業。最新情報など告知していたが、20日までに協賛辞退を発表した。「かねてより開催に向けて弊社としても支援する体制を整えておりましたが、事前の情報共有がなされておらず、信頼関係の構築が難しいと判断いたしました」と説明している。
池袋アニメフィルの代表を務める松下洋氏は21日になって、あらためてチラシなどに使用された生成AIを用いて作られた画像を巡って混乱を招いたとして謝罪。団体としての姿勢や生成AIに関する諸問題について、より理解を深めていくとのメッセージを掲出している。
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