「なんでこんな急に……」 “大谷翔平にKOされた”マクドナルドの「地味キャラ」、なぜいま大人気に?(2/4 ページ)
紫色のキャラ「グリマス」に注目の理由。
2023年にブーム巻き起こす
マクドナルドファミリーの一員として、長らくドナルドの脇を固める存在だったグリマス。だが、2023年に突如スポットライトが当たることになる。
同年6月、米マクドナルドはグリマスの52歳の誕生日を祝して、グリマスのカラーである紫色をしたベリー味のシェイク「グリマスシェイク」を発売。さらにグリマスが主人公のブラウザゲーム「Grimace's Birthday」や関連グッズなどもリリースされた。
すると、若者たちがグリマスシェイクを飲んだ後、なぜか無残な姿になって見つかるという動画がTikTokに投稿され、これが話題に。同様の動画が相次いで投稿されるなど一大ブームが巻き起こった。こうした流れになることは予期していなかったのか、米マクドナルド公式Xは当時「グリマスシェイクトレンドを見ない振りをしている」と困惑気味の投稿をしている。
それでもグリマスブームはマクドナルドへの関心を押し上げることになり、米大手経済紙のウォール・ストリート・ジャーナルも同年7月に「マクドナルドのグリマスシェイクのトレンドがハンバーガーチェーンに利益をもたらす」「紫色のキャラクターを記念した食事がTikTokで話題となり、売り上げが急上昇」と、その異例の経済効果を報じたほどだった。
大リーグでも注目集まる
2024年には、グリマスへの注目度をさらに上げる出来事が起こる。6月13日に行われた米大リーグ、ニューヨーク・メッツの試合に、同日誕生日を迎えたグリマスが招待され、始球式を行った。すると、この日を境にメッツは7連勝を記録。当初低迷していたチームは快進撃を続け、ポストシーズン進出も果たした。
グリマスは「幸運のマスコット」としてメッツファンから崇められ、本拠地球場には紫色に塗装した「グリマス仕様」の座席が登場するなど、球団もその不思議なパワーにあやかっていた。
ポストシーズンでも2チームを破り、「ミラクルメッツ」ぶりは健在だったが、ナ・リーグ優勝決定シリーズではドジャースの前に惜しくも敗退。先述した「大谷翔平にKOされるグリマス」のイラストは、大谷擁するドジャースが、グリマス擁するメッツを下したことを意味していた。
なお、スポーツ専門チャンネル「ESPN」公式Xも、グリマスが投げたボールを大谷がホームランにし、グリマスが涙を流すという「コラ動画」を投稿している。
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