「ジオング」を“貴婦人風”に徹底アレンジした結果…… 2年がかりの“超大作3DCG”に反響 制作者に話を聞いた(2/3 ページ)
立体化されるのが楽しみです。
“ジオング最大の特徴”と“中世ヨーロッパの貴婦人”にある共通点
――ガンダムのスカートアーマーを実際のスカートに似たスタイルに変更しようとしたきっかけを教えてください
93zhanさん: ジオングは私にとって5作目のモビルスーツモデリング作品です。過去4作品は全て原作通りの再現やバンダイ製品のスタイル模倣を目的としていましたが、5作目では全く異なるアプローチを試みようと考えました。
ジオングはラスボスとして、多くの二次創作で「より重厚で強力な姿」に改造される傾向がありますが、女性的要素と結び付ける発想はほとんど見られません。ジオングの「脚部がない」という最大の特徴から連想したのは、パニエスカート(膨らみのあるスカート)を着た中世ヨーロッパの貴婦人でした。スカートアーマーをこの形状に変更し、「機械仕掛けの悪女版ジオング」をデザインしたのです。
――モデリング作業中、特にこだわった点を教えてください
93zhanさん: モデリングでは「女性的な美しさ」と「強さ」の両立に重点を置きました。単にスカートを女性化するだけでは不十分だと判断し、各パーツに“女性的要素”を埋め込みました。頭部は女性的な顔の輪郭を再現し、妖艶な目元を表現。ヘルメットはボブカットのようなシルエットに調整しました。肩装甲は胸部装甲と一体化させ、上部をくり抜くことでオフショルダードレスのような露出感を演出しました。ボディは大人の女性の体形、特に腰とヒップの比率を厳密に計算しました。
また、ラスボスとしての威圧感を、細身のモビルスーツでどのように発揮させられるかを考え、スカートアーマーに変形機構を追加することにしました。展開すると巨大な手のひらに変形し、各指先にメガ粒子砲が搭載されています。これにより、(1)火力と迫力感の向上、(2)スカートアーマーへの機能性の付与、(3)原作ジオングで腕部に装備されているメガ粒子砲をオマージュ、という3つの目的を達成しました。ちなみにパニエ形状と変形機能を両立させるため、スカートの縁は鋭いエッジ仕上げにしています。
――投稿がバズった際の心境について教えてください。リプライなどで寄せられた反応で、印象に残っているものはありますか
93zhanさん: 予想を超える反響に驚きと喜びを感じています。多くの方が「このデザインから連想する派生ストーリー」を考察してくれたり、「ファイブスター物語」や「シドニアの騎士」のキャラクターとの類似性を指摘してくれたりしました。こうした創造的な議論が生まれることは作者として最高の喜びです。今後も驚きのある作品を作り続けたいと思います。
――この完成したモデルは実際に模型として仕上げるとのことですが、現在の制作状況を教えてください
93zhanさん: 現在はカラーリング作業に入っていますが、変形機構を持つ作品は初めてなので苦戦中です。パーツ分割や構造強度に課題が残っているため、その後も設計の修正と試作を繰り返し調整を続けています。
――ありがとうございました。完成が楽しみですね!
作品提供:93zhan(@93zhan1sg)さん
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