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アイテム課金はゲームバランスを著しく崩す? 「脱・アイテム課金」に向け動き出した、あるオンラインゲームの取り組み日々是遊戯

ソーシャルゲームやオンラインゲームで現在主流の「アイテム課金制」。これに真っ向から異を唱えたMMORPGがありました。

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アイテム課金は「ゲームバランスを著しく崩す」危険

 「登録無料!」「基本プレイ料金無料!」

 オンラインゲームの広告を見ると、とにかく目立つのが「基本無料」「登録無料」といった文字。現在運営されているPC用オンラインゲームの多くは、基本プレイ料金無料で遊べるかわりに、ゲーム内アイテムを有料にて販売することで利益を得る「アイテム課金制」と呼ばれるモデルを採用しています。

 しかし、この「アイテム課金制」に異を唱え、「脱・アイテム課金」に向けて動き出したオンラインゲームがありました。Ankama Japanが運営するMMORPG「DOFUS(ドフス)」がそれで、先日行われたアップデートを機に、従来の課金システムを大幅に見直し、今後は月額制に近い形へ近づけていくことを発表しています。

画像 「DOFUS」の画面写真。MMORPGとしては珍しく、フランスで開発されたゲームです

 「DOFUS」を運営するAnkama Japanは、アイテム課金モデルが抱える大きな問題の1つとして、「お金のあるプレイヤーが、お金があるというだけで力を持てる」という点を挙げ、同時に「ゲームバランスを著しく崩す危険」もあると指摘します。

「アイテム課金に頼るかぎり、いつかは課金をする人とそうでない人との間に大きな差が生まれることになります。プレイヤーの皆さんに始終『買い物』を強い、お金を払うことでしか手に入らないアイテムを提供しつづけなければならないでしょう」(リリース資料より)

 もともと「DOFUS」では、アイテム課金制を採用していたとは言え、上記のような点を踏まえ、ゲームバランスを崩さない程度の、最低限のアイテム(プレイヤーの見た目を着飾るためのアイテムなど)を中心に販売していました。今回のアップデートではそれをさらにもう一歩進め、「プレミアムモード」という権利を新たに販売する形となります。

 プレミアムモードの利用権は、30日あたり500オグリン(1オグリン=1円)で販売。また2万オグリンで「永久会員」権も購入できるほか、これまでに累計5万オグリン以上使っている人は自動的に「永久会員」扱いになるそうです。プレミアムモード加入中は、経験値やドロップ率に5%のボーナスが付くほか、移動可能なマップやレベル、クラスなどの制限などがなくなり、ゲーム内のすべてのコンテンツにアクセス可能に。基本プランとの違いは以下のとおりとなっています。

画像 プレミアムモードと基本プランの比較

 「月額制に近い形」を目指すというだけあって、こうして見ると、ある程度遊んだあとはほぼプレミアムモード加入が必須と言ってよさそう。「モンスターハンターフロンティア」も、無料の「トライアルコース」ではハンターランク2までしかプレイできませんが、仕組みとしてはそれに近いかもしれません。なお、プレミアムモードに入らないでどれくらいまで遊べるかAnkama Japanに聞いてみたところ、「早い人なら、1日あれば上限まで達してしまうかもしれません」とのことでした。

 ちなみに、これまで無料で遊んできた人にとっては、これだと実質「有料化」になってしまうのでは?

「そうですね。ある程度は叩かれるだろうという覚悟もありました。ただ発表後の反応は9割以上が今回のアップデートについて肯定的に見てくれているようで、私たちも驚いています。それだけ従来のアイテム課金モデルに疑問を感じていた人が多かったということかもしれません」(Ankama Japan 広報)

 確かに、アイテム課金制を採用している以上、プレイヤーは常に「お金をかけないとゲームを十分に楽しめないのでは」といった疑念を抱えたままゲームをプレイしなければなりません。高額な課金につながりがちな「ガチャ」システム(ガチャガチャのように、ランダムでアイテムが出てくる方式)も、近年では問題視する声が大きくなりつつあり、その点でも今回の「DOFUS」の取り組みは、業界にとって大いに意義のある一歩と言えるのではないでしょうか。

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