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これがひとつなぎの大秘宝なのかもしれない 六本木上空「ONE PIECE展」へ「ONE PIECE展」に行ってみた

「俺の財宝か? ほしけりゃくれてやる! 探せ! この世のすべてをそこにおいてきた!!」――というわけで六本木ヒルズに行ってみた。そこには確かにお宝がありました。

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 抜けるような青空と眼下に広がる東京の大パノラマ。東京タワーやレインボーブリッジが見渡せる地上52階の展望室に面したフロアに入ると、サウザンド・サニー号のマストが出迎えてくれる。まるで空島への船旅をしているかのようだ。

画像 高さ約7.5メートルのマストがお出迎え。入口には尾田栄一郎氏の書き下ろし原画も

 漫画「ONE PIECE」初の展覧会「尾田栄一郎 監修 ONE PIECE展 〜原画×映像×体感のワンピース」が、3月20日より六本木ヒルズ 森アーツセンターギャラリー(東京都港区)で開催される。一般公開に先駆け3月19日に内覧会が行われ、ひと足お先にお宝を拝見しに行ってみた。

 1997年より週刊少年ジャンプで連載されている「ONE PIECE」は、主人公モンキー・D・ルフィとその一味の冒険と友情、そして成長を描いた作品。最新作が発売されるや初版部数400万部を超える絶大なる人気を誇っている。今回、連載15周年という記念すべき年に、作者である尾田栄一郎氏監修の元、映像や体感型のアート作品、等身大のフィギュアや原画の展示などで「ONE PIECE」の世界を体験できる展覧会が開催されることになった。

 フロアは前出のサウザンド・サニー号のマストが展示しているスペースを入口に、12のフロアで構成されている。マストで空島気分を味わったあとは手配書が並ぶ裏路地へと歩を進めることになる。ここには「ONE PIECE」に登場したキャラクターの手配書が並んでおり、週刊誌に最近登場し七武海入りが判明したトラファルガー・ローの手配書も更新されていた。またルフィの兄であるエースの最終的な手配書も。

画像画像画像 すでに死亡したり捕縛されたキャラクターはその手配書に「DECEASED」や「CAPTURED」とスタンプされている。ちなみに七武海のように政府に与した場合はボア・ハンコックのように解除される

 徐々に馴染んできたところで、一気に没入させてくれるのが次のフロアにある冒険パノラマシアターだろう。横幅15メートル、4台のプロジェクターで投影されるブレンディング技術を応用したつなぎ目のない迫力のある映像では、冒険や出会った多くのライバルとの戦いを「capsule」の中田ヤスタカ氏が書き下ろしたテーマ曲に合わせて堪能できる。ぜひ“漫画が動く”瞬間を目に焼き付けてほしい。

 展示会ではその後、スリラーバークにあるドクトル・ホグバッグの食卓を再現したフロアへ。ネガティブ・ホローが飛び交う中をさらに進むと、いきなり世界はピンク色に。ボア・ハンコックの“メロメロ甘風(メロウ)”に心を奪われる。いわゆるトリックアートというやつで、中央に立つとハートが飛び出して迫ってくるように見える。ボア・ハンコックの立体物は181センチと等身大で製作されている。ちなみにそのすぐ横にはニョン婆が「いきなされ」とお告げを受けられる。なるほど、そこまで言うなら行きますか。

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 ニョン婆のお告げに従い進んでいくと、次に現れたのはインペルダウンのモニター室だった。画面には54巻〜56巻の名シーンが表示されており、モニター横には電伝虫も。また、ここではレベル6無限地獄に囚われたエースが等身大で再現されている。尾田も完成度には満足だったようで「かっこいい」と太鼓判を押したとか。原作では目線を下げている絵だったが、フィギュアではアップ時の表情を採用している。そしてインペルダウンもう一つの見どころ(?)が囚人たちの秘密の花園「ニューカマーランド」。壁の隙間から覗いてみると、イワンコフの巨顔が急に通り過ぎていく。そういえばエースのところから「ヒーハー!!」と聞こえていたっけ……。

画像画像 天井付近に子電伝虫発見!

画像 エース投獄

画像画像画像 ニューカマーランドのどんちゃん騒ぎが気になって覗いてみると……! ヒーハー!! デスウインクされました

 展覧会はひとつのクライマックスへと近づいていく。引き延ばした原画と集中線、そして擬音で壁一面を使ったマリンフォード頂上戦争のフロアに圧倒され、エースの死に涙して進むと、きっと来場者も悲しい思いを抱くことだろう。ルフィと同じ気持ちのまま仲間シアターを鑑賞すると、そうだ「仲間がいる」と気がつくはず。ビブルカードで蘇るエースとの思い出と大切な仲間の存在を胸に、物語は2年後へと跳躍する。

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画像画像 ルフィは兄エースの死を乗り越えて自分が弱く、そして大事な仲間の存在を改めて心に刻む

 シャボンディ諸島での再結集、そして魚人島の楽園を再現したインタラクティブアートを抜けるとコミックス61巻の表紙をそのまま立体物に再現したフロアへ。表紙とは違った角度から眺めることができる。

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画像 画面のシャボン玉に触れると上へと跳ねかえる

画像 61巻の表紙を立体化。全コミックスの表紙も展示されている

 そして展示も最後のフロアへ。尾田氏の仕事場と、舞い上がる原稿のインスタレーションを中央に、壁面には原画が陳列され、カラーイラストの完成までを記録したドキュメントムービーが上映されている。コピックで色付けされたカラー原稿やネームが貼られた原稿は貴重。週刊ジャンプ最新刊に掲載されている最新作の原稿は毎週発売日に取り換えられる。

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画像画像画像 尾田栄一郎氏の仕事机を再現。机の上には動物造形作家・朝隈俊男氏とのコラボレーションプロジェクトから生まれたフィギュア「Figuarts ZERO Artist Special」が並ぶ

画像画像画像 ここから「ONE PIECE」が生まれたのかーと感慨深く眺めていると、なにげに置かれている原稿に気がつくはず。あれ? このキャラクターって……!?(写真を拡大してお楽しみください)

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 「ONE PIECE展」はここまで。最後にONE PIECE展特別書き下ろし原画にも描かれているそれぞれのビブルカードを受け取り退場となる。麦わらの一味9人のいずれか描かれており、公式サイトのイベントに参加することができるようになる。別階にはグッズコーナーも併設されており、オリジナルアイテムが購入可能だ。

 森アーツセンターギャラリーでは昨年、ドラゴンクエスト展を実施しており、こうしたゲームや漫画の展示会に積極的だ。ドラゴンクエスト展では来場者が参加するコーナーで世界観を体感する主人公的視点が重視されていたが、ONE PIECE展ではそれぞれが読んだであろう作品の一場面を、胸躍り涙したその感動の瞬間を思い出させてくれるような読者目線を重視しているように感じた。読者にとって大切な“ONE PIECE(ひとつなぎの大秘宝)”な瞬間を体験してもらいたい。

 「尾田栄一郎 監修 ONE PIECE展 〜原画×映像×体感のワンピース」の会期は3月20日〜6月17日まで。午前10時〜午後10時(最終入館は午後9時)までとなっている。

「尾田栄一郎 監修 ONE PIECE展 〜原画×映像×体感のワンピース」

  • 会期:2012年3月20日(火・祝)〜6月17日(日)
  • 時間:午前10時〜午後10時(最終入館は午後9時)
  • 会場:六本木ヒルズ 森タワー52階 森アーツセンターギャラリー
  • 休館日:会期中無休
  • 料金:日時指定前売 一般・大学生1800円 中学・高校生1300円 4歳〜小学生500円/当日 一般・大学生2000円 中学・高校生1500円 4歳〜小学生800円(※当日券は前売券の販売状況に余裕がある場合のみ販売)

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