ドワンゴ川上会長と夏野取締役が語る「ニコニコ超会議」 10万人を「ごった煮」の渦へ(2/5 ページ)
ドワンゴの川上会長いわく、ニコニコ超会議の見どころは「何が起こるか分からないところ」。夏野取締役すら「前代未聞だよねぇ」と驚くその中身に迫る。
すべてのクラスタに光を
ニコニコ超会議を企画したのは、ニコニコ大会議をやめると決めたときだったという。
ニコニコ大会議はもともと、ユーザーを招いて、ニコニコ動画の運営状況や新バージョンを発表するための場としてスタートした。無料イベントだったが、途中からニコニコ動画で人気の歌い手や踊り手によるパフォーマンスなどエンタメ要素が増えていき、会場やネットでの視聴は有料に。規模は回を重ねるごとに大きくなり、2Days公演や全国ツアーが行われた。昨年5月にファイナル公演が台湾で開かれ、一応の区切りを迎えている。
ニコニコ大会議が当初モデルにしていたのは米Appleの発表会だ。Appleはカンファレンスと呼ばれる場で新製品やサービスを発表することが多いことから、カンファレンスを日本語に訳して“会議”と名付けた。「やる以上はAppleより派手にやる」(川上会長)と対抗心を燃やして“無駄”に気合いを入れ、盛り上がりそうな企画をどんどん投入。「段々何をやっているのか分からなくなった。Appleを真似していたはずなのに……。たいてい(同社の企画は)最初の目的からズレるんですよ」と川上会長は首をひねる。
ニコニコ大会議は歌い手といった特定のクラスタにフィーチャーしすぎとの批判を受けることもあった。ただし意図的にそうしたわけではなく、人前に出てくれるユーザーを集めていたら結果的に偏ってしまったのだという。そこで同社は踊り手が主役の「ニコニコダンスマスター」や、ニコニコ生放送ユーザーの祭典「ナマケット」のようにユーザーイベントを増やしたが「なかなか全部に光を当てるのは難しかった」(川上会長)。「大会議は1回やめて、すべてのことをやるイベントをやってみよう」(川上会長)――そうして企画されたのが、今回のニコニコ超会議だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.