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ドワンゴ川上会長と夏野取締役が語る「ニコニコ超会議」 10万人を「ごった煮」の渦へ(4/5 ページ)

ドワンゴの川上会長いわく、ニコニコ超会議の見どころは「何が起こるか分からないところ」。夏野取締役すら「前代未聞だよねぇ」と驚くその中身に迫る。

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ドワンゴでの日々を振り返って「達成感? 全然ないよ」と夏野取締役

 ニコニコ動画がスタートして昨年12月で5年が経った。「5年間刺激があり続けるサービスというのは難しい。だがニコニコ動画はそれなりにネットで話題を提供し続けてきた。健闘していると思います。普通は新しいことをやろうとしても、それがズレてしまって、だんだんオワコンと呼ばれ、風当たりが強くなっていくのが歴史だと思うんです。でもニコニコ動画は最初からズレてるので(笑)」と、川上会長は総括する。

 最近では「ニコファーレ」や「ニコニコ本社」のようにWebサービスの枠にとらわれない取り組みにもチャレンジしている。「ドワンゴって財産は何もない会社なんです。例えばユーザー数にしたってニコニコ動画よりももっと大きいサイトはあるので決定的なものにはならないわけです。いろんな新しいことをやり続けていくことでしかドワンゴの価値はないと思う。新しいことをやることでユーザーがついてきてくれていたと思う」と川上会長は言葉に力を込める。

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ニコニコ超会議にはニコニコ動画の歴史を振り返るコーナーも

 2008年7月にドワンゴ入りした夏野取締役はニコニコ動画をずばり「変態なサービス」と表現する。投稿された動画の上にコメントが載っているのを初めて見たとき「なんじゃこりゃ、ふざけてんのか!」と思いつつも、「ふざけたことに真面目に取り組んでいるところが素晴らしい」とひかれた。「一応、東証1部上場企業なんですよ。そんな企業が一見バカなサービスに全力を出している。これは手伝わないとまずいでしょ」。これが夏野取締役が入社を決めた経緯だ。

 入社と同じタイミングで開催された発表イベントでは「舞い降りた救世主」と紹介された。当時のニコニコ動画の課題は明確で、ずばり一般化と収益化。「濃い人達が集まっているのも良いが、濃い人達は普通の人達に見せないと面白くない」(夏野取締役)と、ユーザー層を広げることに注力していた。一方でオープン以降赤字続きだったサイトを黒字化させるミッションも“救世主”に託された。

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「想像を絶するような支出を伴う企画が毎週の会議にバンバン上がってくる。みんななんとかなるだろうと思っているから“辻褄合わせ”がすごい大変」と夏野取締役

 夏野取締役はその後、ニコニコ動画の広告収入や有料会員の拡大を加速させ、ドワンゴの黒字化に貢献。2011年9月期の連結決算では、ニコニコ動画を含む同社の「ポータル事業」の売上高が初めて100億円を突破した。広告はずっと満稿状態という。それでも「達成感? 全然ない! 全然ないよ!」と首を大きく横に振り、「次から次へ新しいサービスを出していくために、もっと収益力を強くしないと。ただもうけたいんじゃない。その収益を使って、次のことをやっていきたい」と、熱く語る。

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