艦これ提督的「ゲームマーケット2013秋」索敵報告:なぬっ、“れん合艦隊”や“太平洋艦隊”が……!(2/2 ページ)
いいかぁー、せんせい、いつもはぜんぜん役に立たない話ばっかりしているけれど、きょうは大事なことをいうから、みんなぁー、しっかりメモをとるのなぁー。
「れん合艦隊」近日再販予定 「太平洋艦隊」も再販可能
サンセットゲームズでは、エポックのウォーゲームサンセットゲームズ再販版と、ウォーゲームデザイナーの山崎雅弘氏が発行しているウォーゲーム専門誌「SIX ANGLES」のバックナンバーを扱っていた。
サンセットゲームズでは、自社でライセンスを結んだ新作や絶版ウォーゲームから、ユーザーの事前注文が100件を超えたパッケージを再販する「プロジェクト100」という制度を設けている。このプロジェクト100のラインアップに、太平洋戦争の水上砲雷撃戦を扱うウォーゲーム「IJN:大日本帝国海軍」のサンセットゲームズ再販版「れん合艦隊」が加わる予定であることを、今回の取材で明らかにしてくれた。
また、以前から再販の要望が多い「太平洋艦隊」(Pacific Fleet)も、出版用のデータは保存しているので、ユーザーの要望が集まれば再販は可能と答えている。もし、再販を希望するならば、サンセットゲームズのWebページにあるメールアドレスから「太平洋艦隊再販希望」と要望するといいだろう(実際、取材中にも「艦これでウォーゲームに興味を持ちました。太平洋艦隊ありませんか」という来場者がいたりした)。
ただ、その一方で、「Victory in the Pacific」(太平洋の覇者)などのアバロンヒルが出版していたウォーゲームは、権利関係が非常に混乱していて再販はほぼ不可能とのことだ(プロジェクト100の「ダニガン's PGG」が再販できないのもこれが原因という)。
i-OGM/BOARDWALK/盆栽ゲームズ
ゲームショップ「i-OGM/BOARDWALK」のブースでは、同人グループによる「Fleetシリーズ」最新作でインド洋海域における“中国、ミャンマー、インド、バングラデシュ、スリランカ、タイ、ASEAN諸国、オーストラリア、そして、米国”の海上戦力衝突を扱う「Andaman Fleet」をはじめとして、「African Fleet」「Aegean Fllet」「オレンジのなる頃に」を販売している。Fleetシリーズの価格は3000円、オレンジのなる頃には1800円で通販でも購入可能だ。
“誌面で紹介できない宇宙戦艦的ななにか”が好評の盆栽ゲームズでは、史実的ウォーゲームとして英独海軍のノルウェー侵攻、もしくは、通商破壊のための北海突破作戦を扱った「NORWAY!」、ブーゲンビル島攻略戦が付録のレビュー雑誌「このシミュゲがすごい 2013年版」、そして、アジア軍事独裁国のスポークスマンとして生き残りをかけるカードゲーム「無慈悲な鉄槌」を販売している。これらは“宇宙戦艦的な何か”を含めていずれも、a-gameやi-OGMの通販で入手可能だ。
さいたまオフライン/千葉会
さいたまオフラインが出版する低価格ウォーゲーム専門誌「SLGamer」も最新のvol 10とともに第二次ソロモン海戦を扱った「Vol 9」をブースで販売している。どちらも打ち抜き済みのユニットがついたウォーゲームが付録で1000円以下で購入できる。通販やゲームショップでの委託販売で入手可能だ。ただし、Vol 9は残部わずかとなっている。また、さいたまオフラインでは、ウォーゲーム初心者を対象としてゲームイベントも開いており、その第4回を12月7日(土)にイエローサブマリン戸田イベントスペースで行う予定だ。(記事掲載当初、イベント開催日に誤りがありました。おわびして訂正いたします)
千葉会のブースでは、海外DTPウォーゲームのライセンスを取得して日本向けにローカライズしたゲームタイトルとともに、ウォーゲームデザイナーの鈴木拓也氏が監修するウォーゲーム機関紙「The Last Stand」を販売していた。その最新号となるIssue #6の付録ゲームでは、“アイアンボトムサウンド”で艦これ提督にも有名なガダルカナル攻略戦を扱った「An Island too Far」を収録している。デザイナーは「はがきのミッドウェイ」と同じTakoba氏。オンラインショップi-OGMから価格2600円で購入可能だ。
堀場工房/ルーデンス・ファベル
堀場工房は、いつもモフモフな猫ゲームで人気のブースだが、その正体は、日本陸軍を語らせたら右に出るものはいないという、ベテランのウォーゲームデザイナーでもあったりする。代表作にワールドタンクバトルズがあるが、そのシステムをベースにした「ガールズ・パンツァー」公式ウォーゲームがコンバットマガジンから2014年に登場することがゲームマーケット2013秋に合わせて発表となった(関連記事)。
ルーデンス・ファベルは、コンパクトで低価格なミニウォーゲームを量産している同人デザイナーグループだ。その評価は高く、オークションで登場すると高値の取引となることも多いが、そのほとんどは600円(一部1200円)でi-OGMの通販で購入できる。特に人気なのは、攻城戦まで行える「忍城の戦い(大)」だが、そのほかにも、「平治の乱」「保元の乱」、壇ノ浦の海戦を扱った「諸行無常」から、鬼が島の戦い、そして、尖閣諸島を巡る“海上警察機構”の衝突まで、多岐にわたる。
世間では「艦隊これくしょん」が大きなブームとなっているが、ウォーゲーム界隈ではその動向や影響をあまり感じていない、というのが今回の取材で得た感触だった。これは、従来のウォーゲームコミュニティーにおいては欧州における陸戦が主流で、海戦ゲームはマイナーなジャンルとされてきた事情もある(そもそも艦これの二次創作ガイドラインとして“ゲームシステムのあるもの”はNGだったりもする)。
ただ、業界を牽引するゲームメーカーや専門誌としては、この機会をうまく捉えてウォーゲームプレイヤーを増やしてもらいたい。艦これ提督100万人としてその100分の1なら1万人、1000分の1でも1000人。いまの日本ウォーゲーム業界としては、有力な増援といえる。
日本海軍の雑学やうんちくに興味を持った艦これ提督は、ある意味、純粋なボードゲームに興味を持つゲーマー以上にウォーゲームとの親和性は高い。「ウォーゲームをやってみたいのに、日本海軍が登場するウォーゲームがショップにない」という声も少なからず聞いている。ぜひ、このような“潜在的ウォーゲーマー候補生”の声にゲームメーカーやウォーゲーム専門誌関係者の皆さんは、タイミングよく対応していただきたいと切に願う。いや、ほんと、ベテランウォーゲーマーの皆さん、よろしくお願いいたします。
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