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将棋ソフト「やねうら王」開発者の磯崎元洋さん(やねうらお)が、「ボカロ(作るところから)はじめました」とブログで宣言している。
既存の音声合成技術・製品を使うのではなく、声を一から作るところから挑戦するという。ブログでは、「ボカロを含めて音源も自作する。楽器(ハード)も自作する。音楽理論も自分で構築しなおす。自動作曲のためのプログラムも作る」と意気込みをつづっている。
磯崎さんは、1998年に音楽ゲーム「BM98」を発表したことでも知られる人物。昔から音をプログラムすることに関心があり、第3回将棋電王戦を経て、音楽とコンピュータ将棋の関係に気づいたことから、今回の決心をしたそうだ。いわく、コンピュータによるアルゴリズム作曲(自動作曲)の手法は、コンピュータ将棋の探索と全く同じなのだとか。
「人間の知的作業のほとんどは、何らかの点数を最大化するという、探索を伴う最大化問題に帰着されるので、作曲行為自体がコンピューター将棋の探索の問題に還元されるのは何も不思議なことではないのだ」――ほか、ブログには興味深い記述が多々ある。
なお、やる気になった直接のきっかけは、友人から借りた漫画「下町鉄工所奮闘記ナッちゃん東京編」を読んだこと。主人公が創意工夫によって無理難題を解決する姿に、昔の自分を思い出し、「そうだ、何でも工夫すれば作れるんだ。俺には、“神がかった”プログラミング能力があるんだしな!」と思ったそうだ。今後の展開に期待したい。
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