“Ingress紳士”に夜の国立競技場前で出会った話 世界最高レベルのエージェントに聞くその極意:Google発、世界規模の陣取り合戦(2/3 ページ)
夜の国立競技場前。Ingressをプレイしていた筆者は見知らぬ男性に声をかけられた。その名はirmareさん。なんと世界最高レベルのIngress紳士だったのだ。
――他のプレイヤーと交流があるんですね。
はい。基本的に一人で自由気ままに楽しむスタイルなのですが、昨春にGoogle+(G+)のコミュニティーに誘われて、主にそこで交流しています。これまでSNSをちゃんと使ったことはなく、「何が良いんだ?」と思っていましたが、やってみると繋がりが広がっていきますね。G+ではオリジナルグッズを作ってくれる仲間もできました。ゲーム外で繋がっていくのは面白いことです。
――実際に会うことは。
リアルキャプチャー(プレイ中に声をかけられること)はよくあります。活動時は主に敵陣地に行くので、青の方が多いですね。ただ主要フィールド(西新宿)はガチでやってるエージェントが多く、談笑するようなことはあまりないです。G+から発展して実際に話すようになった方は一桁です。
――Ingressプレイヤーのイベントに参加したことはありますか。
公式の「Cassandra, Tokyo」「Elite V」、それに今年7月に渋谷で開催された「Cross Faction MeetUp」(両陣営の交流会)。会場でのイベントは7月が初めてでした。G+の仲間と会ってみたくて参加したら、そこで急きょスピーチを求められ、応じるとGoogle東京オフィスの社食券をプレゼントされました。8月に緑陣営の数人と食事してきたのですが、すごかったです。
Ingressでは想像を超えた体験ができる
――(笑)。あらためて、Ingressの魅力は何でしょうか。
いろいろありますが、当初の想像を超えた体験をできることでしょうか。自分はずっとソロプレイをしてきましたが、G+で世界がどんどん広がっていきました。そして、現実で予想外の出来事がたくさん起こっています。イベントでのスピーチはもちろん、こうして記事になることも想像していませんでした。
あとはポータルによって、観光ガイドブックにない地蔵や寺、芸術的なオブジェなどを巡れることです。この小旅行がすごくいい、町を感じるんです。ポータルを求めてぷらっと脇道に入ったり、もともと散歩は好きでしたが、Ingressによってさらに歩くようになりました。そうしていると「街の中って芸術だらけじゃん」と発見があります。
――なるほど! Ingressのプレイ以前/以後で変化したことはありますか。
身体が引き締まり、寝付きがよくなりました。プレイすると、心理的に発散して体力的にも疲れます。健康に良いんじゃないでしょうか。
――印象に残っているプレイは。
西新宿のバトルが自分の歴史です。2013年10月〜12月は激しかったですね。青のL8ポータル郡を塗り替えきれいなフィールドを作ったり、基本的に一晩でやります。一時期、青が占領していた靖国神社にもよく緑化に行きました。当時は市ヶ谷の釣り堀に通っていたのですが、Ingressを始めてからはつい靖国側に向かってしまい足が遠のきました。
――参考にしてるサイトを教えてください。
インテリジェンスマップは毎日チェックしています。青運営の攻略サイトも。改変コピペはめちゃくちゃ笑えます。青は文才がある方が多いような。あとはG+。現状ではあそこがIngress関連のニュースサイトとして一番充実しています。
――“リアル課金”はしていますか。
ゲーム用に購入したグッズは、自転車用のスマホマウンタ、モバイルバッテリー数台、液晶タッチペンなど。タッチペンはカプセル(今年開放された新アイテム)がなかった時、操作の多さで指が疲れるため使っていました。スマホも途中で台湾製から富士通の端末に変えて、キャンペーンで安かったんですが、防水機能が重宝しています。
出費が多かったのはマッサージ代。これは、エクスプロールを頑張った期間(約1カ月)、土日の探索後に毎回通いました。いくつか試した結果、行きつけのマッサージ店ができました。食費と交通費はこれに比べればかかっていません。
――G+でアート作品を公開していますね。
はい。最初に作ったクジラは思い出深いです。あの時はめちゃくちゃ暑かった……。作ってる途中に敵が現れても意外と待ってくれます。完成したら壊されるので、さっとスクリーンショットを撮って。Ingressコミュニティの「Artworks+Memes」には世界中の作品が投稿されていて面白いですよ。
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