文部科学省の調べによると、子どもの体力は1985年頃をピークに年々低下している。握力をはじめソフトボール投げなど、なだらかな右肩下がりは一向に止まらない。子どもの体力低下問題が叫ばれるのは今にはじまったことではないが、最近ではそんなお子様事情をくみ取った過保護すぎる非力っ子マーケットが過熱している。
「力が弱くても簡単に描ける」「しかも手も汚れない」と良いことずくめの工作グッズも続々登場中だ。
付着しやすい顔料が使われているので、ガラスやビニールなどにも力を入れずに絵を描くことができる。しかも特殊な紙ロール加工がされているので、手も汚れにくいという至れり尽くせりの商品だ。
また、筆圧が安定しない小学校低学年の児童向けに開発された鉛筆も、対象年齢を超えて高学年になっても使い続ける児童が多いとか。
工作用のはさみの進化もすごい。軽い力で切れる「ベルヌーイカーブ刃」を子ども用はさみにも採用し、昔なら切るのに四苦八苦した牛乳パックや厚手の段ボールなどもサックサク切れてしまう。切っているうちにはさみに通している指が地味に痛くなるような、あの苦しみを味わわずに済むのだ……。なんともうらやましい。
仮に非力っ子グッズで手を汚してしまっても、せっけんさえも優しい。プッシュ式のハンドソープも、日々「子どもが使いやすい容器」や「力が弱くても押しやすい形状」に進化しているのだ。ポンプを押す部分の直径を従来品に比べて2割ほど広げ、洗浄液が出るノズル部分も太くするなど、少ない力で押し出しやすいように改良されているという。
みかんのネットに固形せっけんを入れ、ゴシゴシと力を入れてこすっていたあの頃が懐かしい……。お子様の需要に合わせて進化を続ける非力っ子マーケット。今後さらに熱くなっていくことだろう。
(青山ゆずこ)
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児童が壁などに描いた絵をポスターにしたり、製作過程をフォトブックで残したりします。