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米と戦わず英蘭と戦わば勝てたのか?──艦これ提督的ウォーゲーム要務令「大東亜戦争」編ワレ真珠湾ニ奇襲セズ!(2/3 ページ)

敗戦から70年の日に大東亜戦争のIFに思いをはせる。海軍と陸軍が対立しなければ日本は勝つことができるか。その1つのヒントをボードウォーゲームに求めてみる。

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宣戦布告と奇襲攻撃のメリットとデメリットで悩む

 大東亜戦争をテーマにした戦略級ウォーゲームでは、ほとんどの場合「始まりは真珠湾攻撃」となる。でも、「真珠湾攻撃をしなかったら、そのあとどうなっていた?」とか「米国とは戦わずに、英蘭とだけ戦争して南方資源を奪っていれよかったんじゃないの?」と考える日本人は、意外と多い。

 大東亜戦争では、日本も米英蘭中の連合国も、宣戦布告する時期も相手も方法も選ぶことができる。ゲームの始まりは1941年(昭和16年)の7月で(ほかに、史実と同じ1941年12月開始、第2段階作戦が始まる1942年4月、サイパン攻略戦とマリアナ沖海戦が起きた1944年6月開始のシナリオを用意しているが、デザイナーの意図としては、1941年7月開始が最も望ましいと語っている)、これは、日本が南部仏印領に侵攻して米国から石油などの重要物資禁輸などの厳しい経済制裁を受けて、戦争以外の解決策がほぼなくなった時期にあたる。

 ゲームにおいて、日本プレイヤーは中国大陸と対ソ連戦を重視した「北進策」か、南方資源地域占領を重視した「南進策」を選択して英蘭だけと開戦できる可能性がある。一方で、日本が英蘭とだけ戦争したいと思っていても、連合国が日本に対して宣戦布告をして、まだ戦争に参加していないすべての国が参戦することもできる。さらに、開戦において日本が奇襲攻撃を実施すると、連合国は、その後の連合国軍の行動をより積極的にできるようになる。

日本は北進策や南進策によって米との戦争を避けて英蘭とだけ開戦する選択がある。このほか、航空戦艦への改装や流星などの新兵器の開発、信濃や甲斐といった戦時中の建造もカードイベントの実行で行う

連合国も自ら宣戦を布告すればすべての国が自分で決めたタイミングで参戦できる。しかし、日本の奇襲攻撃で使える「リメンバー!」を使わないと戦争段階が上がらず積極的に戦うことができない状態が続く

 逆に言うと、日本軍が奇襲攻撃を行わないと、連合国軍の反撃が鈍くなることを意味する。文民統制の連合国では、議会の同意を得られないと戦闘による損害を極力抑えなければならないようにルールで設定している。そのため、損失を避けるために大規模な兵力を動員した反撃作戦が難しくなっている。「ならば、日本は奇襲しないほうがいいじゃない」というかもしれないが、その場合、史実ではほとんど反撃を受けずに順調に進んだ南方資源地域の攻略中に完全戦力の太平洋艦隊が逆襲してくる可能性が出てくる。

 このように、「英蘭とだけ開戦」「真珠湾奇襲をしないで開戦」した場合に戦争がどうなるのかを試せるのが大東亜戦争の大きな特徴だ。

戦う国がどこであっても蘭印にある資源地域を占領するのが日本にとって必須となる。問題は、そのタイミングだ

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