森山直太朗「夏の終わり」をエンドレスで流したくなる今日このごろですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。猛暑で見事に夏バテしてしまい、音楽フェスやバーベキューなど「夏っぽい」イベントにまったく参加できなかった筆者。ひとつだけ夏の貴重な思い出ができたので、発表したいと思います。
以下、虫が苦手な人は閲覧注意!
謎すぎる夏の人気イベント「セミ会」とは?
その名も、「セミ会 2015」! 毎年参加者が大勢押しかける、人気のイベントなんです。セミを公園で採取し、フレッシュなまま調理し、試食するという「セミ会」。知人に誘われて現地に到着したものの、実は子ども時代からインドア派、外遊びよりもぼっちで読書派だったことに気づいてしまった筆者……。いろいろな意味で、セミと仲良しになれるのか……一抹の不安が胸をよぎります。
17時台から、参加者一同で都内の公園をうろうろ。虫採り網を持った大人たちの集団は、不思議な存在感があります。
セミ採りタイムは、まるまる2時間。日が出ているうちは、木に止まっている成虫を、日が落ちてからは幼虫を探しました。当たり前なのですが、特に成虫は激しく動き、鳴くため、虫が苦手な人はびっくりしてしまうかも。サクサクとセミを処理してゆく虫好き女子たちは、「マッドマックス」のシャーリーズ・セロンのように見えてカッコよかった……!
虫が苦手な筆者も、成長できてしまった!
この日、採集したセミの成虫は、実に320匹。そのままだとオスが鳴いてしまい、調理場までの運搬に支障を来すため、共鳴板になっている胴の部分をパキッと割り、生きているまま鳴かない状態にします。脚をバタバタ激しく動かし、あがいているセミを直接触るのは、個人的にかなりハードルが高かったです。「ギャーッ! 絶対無理! やだやだやだーっ!」と、本気で怖がって奇声を上げ、苦笑されていた筆者ですが、何とか2匹のセミを割るのに成功……「成長したね!」と褒められ、達成感がありました。
ここで、採集班と調理班に分かれます。調理班は先に調理場に移動し、下ごしらえ。採集班は、より難易度の高いセミの幼虫探しに突入です。暗い中、地面を照らして幼虫を探すのはかなりハードでした。
予想していたより超ハードな幼虫探し。若者4人グループで、協力してしらみつぶしに探しながら、たまにサボって雑談してみたり……青春映画のワンシーンのようでした。再び集合して、全員で調理場に移動する頃には、汗だくでヘトヘトに疲れていました。
見た目のインパクトに反して食べやすかった、セミの唐揚げ
いよいよ試食タイムです。調理場ではビールも振る舞われ、和気あいあいとした雰囲気になっていました。ただ、やっぱり見た目のインパクトは大きかった……。最初は「セミの成虫の唐揚げ」からチャレンジしました。インパクトの強いメニューから食べてみたおかげか、次に出てくるメニューを試すのに、だいぶ心理的なハードルが低くなりました。
思い切って口に放り込んでみると、唐揚げ粉の香りが強く、パリパリッといただけます。
合計47匹、採れた幼虫も試食してゆきます。主催の方々が冷凍して持参してくれた幼虫たちも加わり、一生でこんなにセミの幼虫を見ることがあるのだろうか……と思ってしまう、不思議な光景に。
成虫よりも幼虫のほうが、噛んだときのプチッとした食感が強かったです。また、昆虫食に慣れなかったからかもしれませんが、独特の「虫臭さ」とでもいうのでしょうか……「青臭い」と表現するのが近い風味と後味がありました。慣れると、この風味がヤミツキになるのかも。
「虫臭さ」が逆に少なく感じられたのは、最初にトライした「セミの成虫の唐揚げ」。カリッとドライに揚げられているので、だいぶエビなどの食感に近く、違和感なく食べられました。ビジュアル的なところには抵抗もありましたが、個人的には最も食べやすかったです。ちなみに昆虫食に詳しい人によると、セミは生まれてから死ぬまで樹液ばかり吸っているので不純物がなく、昆虫食入門にはちょうどいいのだそうです。
みんなが自然と仲良くなれちゃって、充実感120%!
セミを採って試食する中で、参加者同士自然と会話が生まれて、とても楽しく、夏らしいイベントでした。なんと女子高校生から大人まで、幅広い世代の人々が参加していました。
正直、どのメニューも食べるのには個人的にとても勇気がいりました。ライターになっていなければきっと挑戦していなかった、貴重な体験だと思います。1週間後、お盆に親戚の子どもたちとセミ採りをしたのですが……虫が苦手だったはずの筆者も、意外と余裕でコーチできるようになっていました。大きく成長できてしまった一日。アウトドアにも料理にも縁遠くてもチャレンジできたので、「絶対無理そうだけど、度胸なら負けない!」という人にオススメです。昆虫食をコーチしてくれる主催者や常連の方々の、アットホームな雰囲気と懐の深さも魅力的。
ちょっぴり人生が変わる人気イベント「セミ会」。気になる方は来年、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか?
(川澄萌野)
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未来を見据えてここはひとつチャレンジしてみよう。