一度聞いたら耳から離れなくなる「モーモーチャーチャー」という名前の謎の食べ物がある。成城石井で販売し、密かなブームになっているらしい。一体どんな食べ物なのだろう? 「チャーチャー」という響きから、チャーハンのような食べ物なのだろうか。はたまた「モーモー(牛の鳴き声)茶茶」という牛乳仕立てのティーなのか。食べてみたい!
期待と不安で成城石井の店内をうろつくも、一向に出逢わない「モーモーチャーチャー」。しびれをきらし店員さんに聞いてみた。
記者「モーモーチャーチャーはありますか?」
店員さん「はい、売り場をご案内します」
連れて来られた先で目を疑った。「モーモーチャーチャー」の正体は、こんなものだった!
実はこれ、マレーシアでは定番のスイーツらしい。見た感じはプリンアラモードか、あんみつか、かき氷の「白くま」といったところ。甘そうではあるが、どういう系統のスイーツなんだろう。食べてみることにする。
……うまい!
ベースは、ココナッツのブラマンジェにカスタードのようなソースがのっていて、トッピングとして自家製の羽二重餅、さつまいも、赤エンドウ豆、ヒヨコ豆が添えられている。洋と和がうまいこと融合された、新感覚のスイーツだ。
しかし一体なぜ「モーモーチャーチャー」を販売するに至ったのか? 成城石井に聞いてみた。
――なぜマレーシアのスイーツを販売しようとしたのでしょう?
「近年、成城石井ではフォーやシンガポール風ラクサなどエスニック系の惣菜が人気で、スイーツの領域でも何かないかと探していました。そこで見つけたのがこの『モーモーチャーチャー』なんです」
――売れゆきのほどは?
「おかげさまで販売当初から売上が良く、現在でも伸び続けている商品です」
――いただいてみたのですが、あんみつみたいな印象を受けました。上のトッピングを食べないと、なかなかメインにたどり着けませんね。
「……えっ!(沈黙)」
――???
「あ、いえ……。あの、もしかして“モーモーチャーチャー”せずにお召し上がりになりましたか?」
――モーモーチャーチャーする、とは?
「モーモーチャーチャーするというのは、マレー語で“ごちゃまぜ”という意味なのですが、お汁粉のようになるまでまぜてから食べると、具材のハーモニーが楽しめてよりおいしく感じるはずです。ぜひ試してみて下さい」
なんと、この「モーモーチャーチャー」という不思議な名前は、食べ方のことを差していたのだ。さっそく、モーモーチャーチャーして再度食べてみることに。
まずは、まぜあわさったソースを一口。滑らかな舌触りで、ココナッツとバニラの甘みが見事に調和している。 続いて二口目。今度は赤エンドウ豆と一緒に食べてみる。……これはうまい! 豆の塩みが、ソースの甘さと絶妙な具合に! 絡ませることによって、甘さがさらに引きたったようだ。次は一番大きな具材、まるっと入った自家製の羽二重餅を食す。食感はモチモチとしてほどよい弾力は変わらずキープ。洋風な甘味との相性も良く、食べごたえは抜群! 他にもサツマイモやヒヨコ豆もゴロゴロと入っており、二重、三重、四重にも味わいや食感が変化。最後の一口まで大満足のうちに完食。
見た目も、味も、食べ方も、日本ではないスイーツ「モーモーチャーチャー」。“これは来る!”と確信。ぜひ成城石井で「モーモーチャーチャー」をゲットしてみてほしい。
(伊佐治龍/LOCOMO&COMO)
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おいしそうだけど食べるのがもったいない。