切符に穴を開けた際に発生するパンチくず。これを大量に使って電車をドット調に描いた作品が大阪市営地下鉄の西梅田駅に展示されており、Twitterで注目を集めています。使ったパンチくずの数は縦320×横480の計15万3600枚、製作した職員のコメントは「もう二度としない」。一筋縄では製作できないことがすぐ分かる、圧巻の緻密さです。
パンチくずアートは9月ごろから西梅田駅構内4‐B出口あたりの「西梅田地下画廊」に飾ってある作品。西梅田駅も通る四つ橋線が開通50周年を迎えたのを記念し、切符から出てしまうくずを何かに使えないかということで、同駅の男性職員(46歳)が6月から3カ月にわたって約300時間かけて製作しました。
描いたのは同線を走る車両・新20系。表は白、裏は黒色という切符の特徴を生かし、パンチくず1枚1枚を裏表変えながらピンセットで貼り付け、モノクロのドット絵に仕上げました。大阪市交通局の広報担当によると、製作した職員は小さいころから絵やプラモデルを作るのが大好きで、パンチくずアートも彼が考えたそうです。しかし完成までの道のりは過酷で、製作期間中は作業以外のことが一切何もできずストレスが溜まってしまったとのこと。本当におつかれさまです。
しかし、電車ならではの素材を用いて電車を描く発想に、駅職員の地道さが加わり、電車のアートとしてとんでもない熱量を放ってくる秀作。目立たないところに展示されていたせいかなかなか話題にのぼらなかったようですが、11月10日にあるTwitterユーザーが作品を紹介したところ1日で3万回以上リツイートされ、一気に注目を浴びることとなりました。作品は年内いっぱいは展示し、画廊にほかの展示が入るまでは飾り続ける予定。間近で鑑賞してその作業の緻密さに触れてみたいところです。
追記 ネットの反響について製作者
製作した駅職員はネットの反響に対し、「恥ずかしさ反面、とてもうれしいです。苦労が報われました」とコメント。「もう二度としない」としていた約300時間の作業についても「正直言うと、けっこう楽しかったです。予想以上の充実感も味わえたので、いつかまた個人的に作りたいです」と振り返りました。
記事初出時、「11月11日にあるTwitterユーザーが作品を紹介」と表記しておりましたが、正しくは「11月10日にあるTwitterユーザーが作品を紹介」でした。お詫びして訂正いたします。
(黒木貴啓)
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