神木隆之介のラブコールに新海誠監督たじたじ 映画「君の名は。」完成披露で重過ぎる愛を告白
神木「(新海監督と)カフェに行きたいです。ゆっくり、開店から閉店までいましょう!」
7月7日、新海誠監督の映画最新作「君の名は。」の完成披露試写会が都内で開催され、新海監督をはじめ、キャストの神木隆之介さん、上白石萌音さん、長澤まさみさん、谷花音さん、市原悦子さんが登壇。七夕ということもあり、キャストたちは涼しげな浴衣姿で姿を現しました。
同作は、1000年ぶりとなる彗星の来訪を1カ月後に控える日本を舞台にした、東京に住む高校生・立花瀧(CV:神木隆之介)と田舎に暮らす女子高生・宮水三葉(CV:上白石萌音)の物語。2人は、夜な夜な互いの体が入れ替わる夢を見るという不思議な体験を通じて、時にはケンカしつつも、だんだんと打ち解けていきます。しかしそんなある日、突如入れ替わることができなくなり、瀧は三葉に会うため行動を起こすことに。そしてたどり着いた先で意外な事実に直面する――というストーリー。
「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」などの安藤雅司さんが作画監督を務め、「とらドラ!」「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」などで知られる田中将賀さんがキャラクターデザインを担当するなど、豪華スタッフ陣を起用していることも話題になっている同作。主題歌をロックバンド「RADWIMPS」が手掛けることも発表されており、映像と組み合わせた予告PVも公開されています。
神木さんは、大の新海監督ファンということで、「この作品に携わらせていただくことが本当にうれしくてうれしくて仕方なくて、いまここに立てているのが幸せです」と感無量の様子。本編の収録前に特報のアフレコをした際には、上白石さんと2人で「いい映画だねえ……」「あ、俺らがやるんだ」と、思わずひとごとに感じてしまうくらい現実味がなかったそうです。
作品は1週間前に完成したばかりですが、いまだにその実感が沸かないという新海監督。完成後、スタジオへ向かう道がいつもと違って見えるのかと思ったら、普段通りの「どよーん」とした街並みだったそうで、「それはきっと、まだ皆さんに見ていただけてないからだなと思ってます。今日見ていただいたら、きっと帰り道が少し違って見えるかな」と、作品さながらに文学的な言葉で観客を沸かせます。
先日、アメリカで行われたワールドプレミアでは3400人が作品を鑑賞したそうで、上映後は5分もの間、拍手が鳴り止まなかったというほど大盛況だったといいます。新海監督はそのときの様子を上白石さんだけにこっそりLINEで教えていたらしく、それを聞いた神木さんは「俺には来なかったですけど」とぼそり。「神木さんは忙しいかな、と……」と弁明する新海監督に、神木さんは「いやいや、もう、もう、いつでもLINEお願いします!」とガチのトーンで頼み込んでいました。
また、作品の根幹をなす男女の体が入れ替わることについて聞かれると、主役の2人は声をそろえて「難しかったです」とコメント。しかし、神木さんの女声はクオリティーが高かったようで、上白石さんは「(神木さんの演技が)本当にかわいくて焦りました。自分がやる三葉より何百倍もかわいくて、(自分は)監督に何回も『上白石さんもう少しかわいくお願いします』とか『もう少し女の子らしくお願いします』とか言われて、やっぱり男女の垣根を越えて演じ分けられるのが神木さんなんだなと思って感動しました」とべた褒め。
さらにMCから、異性の体に入れ替わったらなにがしたいかと質問が投げかけられると、上白石さんは「ダンクシュートをやってみたい」と回答。「めちゃくちゃ身長が高くて、運動神経がいい人と入れ替わって、バスケットの試合のときにダンクシュートを決められるようになりたいんですけど……どうですか?」と急に意見を求め、神木さんが「どうですか!?」とツッコミを入れる一幕もありました。
神木さんはというと「女性ボーカルの歌を歌い尽くしたい」そうで、「入れ替わったらカラオケに直行します」とのこと。やりたいことが見つからない長澤さんからバトンを渡された新海監督は、以前、RADWIMPSのボーカル・野田洋次郎さんと話し合ったそうで「そりゃあ、一通り試すよね」と意味深な発言。新海監督から「どうですか?」と回答権を渡された長澤さんは「じゃあ、試します!」と威勢よく答えていました。事務所的にギリギリな気がします。
今回のキャストの中で最年長、三葉と四葉の祖母・一葉を演じた市原さん。MCから、周りの若いキャストの人たちはどうでしたかと意見を求められると、「本を読んだときから疎外感があったんです」と、淡々としたコメント。若者の生態も自身の役柄もしっくりこず、「宙に浮いていた」といいます。しかし一方で、若い人たちと一緒に演じることには喜びを感じたとも。作品については、「福島のことや熊本のこと神戸のこと、広く言うなら、原爆、広島や長崎のことも思い浮かびましたよ。そういうことを忘れられちゃいけない、心に刻んでおかなくちゃいけないという思いがきっと監督さんの中にあったんだと思います」と評し、MCも「映画の魅力を全て語っていただいた」と市原さんの語り口に感服していました。
舞台あいさつの終盤には、七夕にちなんでそれぞれ願いを書いた短冊を披露するコーナーも。神木さんはここでも新海監督への愛が止まらず、「新海監督とカフェに行きたいです。食事というよりカフェに行きたいです。ゆっくり、開店から閉店までいましょう!」とラブコール。新海監督が「ちょっと、重いですよ……」と引き気味に返答すると、「せっかくカフェっていう気軽な感じの場所にしたのに」と残念そうな表情に。
その後も、「運命の異性と出会いたい」(上白石さん)、「宇宙に行ってみたい」(長澤さん)、「泳げるようになりたい」(谷さん)、「宇治の平等院の天女になりたい」(市原さん)と、次々に願いごとを発表していきますが、映画に関連した願いごとは皆無。新海監督は「皆さん、意外と作品に関係ないことを……」と、ちょっと残念そうにしながら、「この作品が運命の観客と出会えますように。この映画が自分のための1本だったと1人でも多くの人に思ってもらえるんだったら、作ったかいがあったと思います」と願いごとを発表しました。
最後に新海監督は、「この映画はすべての思春期の人に向けて作った映画です。思春期といっても、6歳ぐらいからなる人もいるでしょうし、50を超えても思春期の人っていると思う。ぼくは40を超えていますが、まだ思春期のような気分を引きずっています。そういう意味ではたくさんの人に届きうる作品なんじゃないかと信じています」と、ファンに向けて作品をアピールしました。
映画はいよいよ、8月26日から全国の東宝系で公開されます。
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