8月半ばに開催された「コミックマーケット90」の会場を、1970年代に普及した8ミリカメラで撮影した動画がTwitterに投稿されました。2010年代の世界最大規模の同人即売会の様子が、まるで大阪万博の記録映像のような風景に!
東京ビッグサイト前の階段をのぼる参加者や、徐々に進んでいく長蛇の待機列――撮影されているのは間違いなく現代のコミケ。なのに画面全体に黒い点々や線が入ったり、人々の動きが1.3倍ほど速かったりと、8ミリカメラならではのクオリティで撮られているため、70年代ごろの記録映像に見えてしまうギャップがおもしろいです。三波春夫さんの「こんにちは〜♪」の歌声が流れてきてもおかしくない!
Twitterでも「『おや?こちらの皆さんは漫画の形態模写の一群ですね?』って声入れたい」「太陽の塔が写り込んだとしても違和感ないな……」と、コミケなのに大阪万博に見えてしまう人が続出。「現代版、チャップリンの『モダンタイムス』みたい」「不思議な事にフィルムで見ると、みんな70年代の古めかしい格好をしている様に見えます」と、総じてそのレトロ感を楽しんでいるようです。
撮影したのはTwitterユーザーの白蟻さん(@kousyunshiroari)。普段はクラシックカメラのサークルで代表を務めるほか、友人同士で旅行へ行くときなどに8ミリカメラを回すらしく、今回夏コミ2日目に友人のサークルで売り子として参加するにあたって、記念に撮影しました。
8ミリカメラで気に入っている点は、「装甲騎兵ボトムズ」のスコープドッグのようなレンズ配置、撮影中に内部で機械が動いている感覚など。「8ミリカメラに限ったことではないですが、古くてもう使えないと思われている道具もまだまだ使えるし、おもしろいことができると他の人にも知ってほしい」と白蟻さん。コミケの映像に対する反響には「ただただ驚くばかり。8ミリフィルムに興味を持っていただいた方が大勢いてうれしいです。ぜひみなさんにも8ミリ撮影を楽しんてもらいたい」と喜んでいました。
ちなみに撮影に使った機材は、スイス・Paillard-Bolex社製のカメラ「Bolex 8DL(ボレックス8DL)」に、ドイツ・Wittner Cinetec社製のダブル8フィルム「WITTNER CHROME 200D」。現像は東京都墨田区のカメラ専門店「レトロ通販」で行ったそうです。何か現代の風景を8ミリで撮影してみたくなった人は参考にどうぞ。
(黒木貴啓)
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