自称プロの真田幸村ファン、みかめです。
NHK大河ドラマ「真田丸」振り返り4コマ、今回は第36話の「勝負」から。
真田安房守昌幸vs.本多佐渡守正信の知恵者バトル。これまで第二次上田合戦といえば、昌幸と信繁が上田城に籠城し、秀忠の別働隊を足止めさせ関ヶ原本戦に遅参させることが目的であったといわれてきましたが、近年ではそもそも秀忠は家康から真田攻めを命じられていたといわれています。最新の研究の元に描かれた第二次上田合戦だったのです。
筆者が注目したのは兵糧攻め。本多佐渡守は刈田をして兵糧攻めを行いますが、真田軍は逆に徳川軍の兵糧を奪い、刈田も妨害します。大軍を率いる徳川軍にとって兵糧の確保は死活問題。長期戦になればなるほど不利になるというわけ。徳川軍、兵糧攻めをしていたつもりが、いつの間にか自分たちが兵糧攻めされていたでござる。
そして極め付きの秋の長雨。徳川軍は背後の神川の増水により退路が断たれてしまいます。35話で語られた韓信の背水の陣に対し、”昌幸流”の背水の陣で真田軍に勝利をもたらした昌幸。さすがの軍略です。
故事といえば……本多佐渡守が食べていた鶏肉は鶏肋(あまり重要ではないけど捨てるには惜しいという意味)になぞったもの。本多佐渡守は鶏肉を食べつつ、横で上田を落とせず悔しがっている秀忠に対し、「上田は捨てるは勿体ないけど固執するほどでもない」と言いたかったのでしょうか。さりげなく投下されるネタの数々。1秒も気が抜けません。
さて、今回取り上げる書籍は「戦国の軍隊―現代軍事学から見た戦国大名の軍勢」です。
同書は「真田丸」にて軍事考証役を務める西股総生氏の著書。現代軍事学の視点で戦国の軍隊の実態に迫った一冊です。第二次上田合戦の軍略の肝となった「兵糧攻め」については29話「異変」の回で紹介した「戦国の城がいちばんよくわかる本」にも分かりやすく書かれていますが、本書はより踏み込んだ内容になっています。「戦国の城〜」よりもやや専門的ですが、「真田丸」の副読本としていかがでしょうか。
「真田丸」振り返り4コマは毎週火曜日更新予定です。次回もどうぞお楽しみに!
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