ニュース
人間と動物、暴走車がひかざるを得ないとしたらどちら? MITの自動運転システム研究サイトが究極の選択で意見を求める
人間が葛藤して出した答えが、いずれはシステムの判断基準に?
advertisement
自動運転車のブレーキが故障し、止まれなくなったと仮定します。その先、片方の車線には犯罪者を含む人間が3人、もう片方には3匹の動物が。自動運転システムはどちらの進路を、つまり犠牲者を選ぶべきでしょうか?――そんな究極の選択で利用者の倫理観を問うサイト「Moral Machine」が、海外メディアで取り上げられ話題となっています。
「Start Judging」をクリックすると、暴走した自動運転車のとるべき進路を選ぶ、13の質問がランダムで出題。「信号無視の妊婦か信号を守っている犯罪者」「搭乗者5人か歩行者1人」といった組み合わせで、「殺さざるを得ないとしたらどちらか?」を問われます。どちらを選ぶにしても心苦しい……。
全問に答えると集計結果が表示。優先して救ったのが「人か動物か」「若年者か高齢者か」といった、選択基準の傾向を閲覧できます。全利用者の平均値と比較することも可能で、自分が他人より「動物を犠牲にしがちだった」など、ショッキングな結果を見せられることも。
同サイトはMIT(マサチューセッツ工科大学)が、自動運転システム研究の一環で始めたもの。「システムが道徳的なジレンマに直面したとき、いかなる決断を下すべきか」について、人間の意見をクラウド上にまとめることが目的だそうです。いつの日か、人間が葛藤して出した答えに沿って、機械が「何を生かすか」判断することになるのでしょうか。
(沓澤真二)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 日産、自動運転技術を応用した“飲食店の行列を移動してくれる椅子”を発表 待ち時間がむっちゃ楽になりそう
座っていれば、いつの間にか最前列に。 - 新車より圧倒的に安いな! 車に自動運転機能を付加するデバイスが年内発売、価格は約10万円
開発は、天才的なハッカーとして有名なGeorge Hotz氏のベンチャー企業。 - 国交省「現在の自動運転機能は完全ではない」とドライバーに注意喚起 米国で発生した死亡事故を受け
運転手が責任を持って安全運転する必要があるとしています。 - 車が勝手に動く! パパ助けて! ……テスラ・モデルSの遠隔操作でイタズラをしたのはパパでした
リモート駐車機能「サモン」を使ったイタズラ。 - Googleの自動運転車、初の過失事故 土のうを避けようとしてバスの側面へぶつかる
約230万キロの自動運転で1回目の過失事故……人間の運転よりも安全? 危ない?