腕に巻くだけでゲームの世界に VR向け触感型コントローラー「UnlimitedHand」を実体験してみた
クラウドファンディングで750万ドルを獲得した「UnlimitedHand」が、「CEATEC JAPAN 2016」に出展。
2015年にクラウドファンディングで約750万ドルの出資を集めた触感型ゲームコントローラー「UnlimitedHand(アンリミテッドハンド)」(関連記事)のブースが、幕張メッセ(千葉県千葉市)で10月7日まで開催されている「CEATEC JAPAN 2016」に登場。実際に体験してきました。
「UnlimitedHand」は手や腕の動作で操作できるVRゲーム向けコントローラー。筋電刺激などから、ゲーム内の感触をフィードバックする機能を搭載しています。装着は腕に巻くだけなので、数秒程度で完了。かなり手軽に使えそうです。
まずは、FPS風の画面で銃を撃つプログラムをプレイさせてもらいました。腕の上下の動きに合わせて画面が移動し、指を曲げると発砲。それと同時に腕にビリッと刺激が走ります。
筆者は指を2本曲げ、銃のトリガーを引くには不自然な動き方をしていましたが、「UnlimitedHand」にはユーザーの動きを学習するシステムが搭載されているため、問題なく動作します。また、筋肉の動きは"筋電位"ではなく、光を使って"筋変位"から捉えます。動きや筋肉、脂肪の付き方には個人差があるため、このような仕組みにすることで精度を上げているとのこと。
次にプレイしたのは、鳥が手に乗るプログラム。こちらに招くように手を開いたり閉じたりすると、木に留まっていた鳥が飛んできて、手に乗った瞬間、重みがかかるような身体に響く刺激が。鳥がくちばしで腕をつつくと、体表だけに刺激が感じられます。
このようにユーザーへのフィードバックを使い分けられるのも「UnlimitedHand」の特色。今回体験したのは痛みや衝撃などを表現したものでしたが、何かに触れられるような弱い感触を作り出すこともできるといいます。
ゾンビに攻撃されるホラーゲームも用意していたそうなのですが、筆者が訪れた10月4日は諸事情から非公開。出展者間では「怖すぎるらしいから、出さないほうがいいかな」と検討している姿も見られました。なにそれ逆にやってみたい。
クラウドファンディング後も開発は進められており、2016年5月には開発者向けの販売がスタート。コンシューマー向けに発売される日が楽しみです。
(マッハ・キショ松)
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