惜しまれつつ引退していった24系寝台車。中でも北海道に乗り入れていたトワイライトエクスプレスと北斗星に思うところがある人は多いと思う。これらの車両は順次廃車作業が行われており、この世から姿を消すのも時間の問題だろう。
そんなときに、北斗星で使われていた24系車両の寝台部や食堂車のテーブルなどをビル内に移築し、ホテルとして使われるというニュースが舞い込んできた。これは一つ行ってみないといけないでしょう、ということで報道向けの内覧会が行われた2016年12月1日、馬喰町にできた「トレインホステル北斗星」を訪ねてみた。
ホテルに入ると受付からして寝台車の雰囲気満点。時刻表示は往年の反転フラップ式案内表示器(パタパタいうやつ)というより、さらにさかのぼった、手差しで表示を変えていた時のよう。ホテルは7階建てで、1階は受付、7階はオフィス、6階はシャワールームとランドリーとなっているほかは、全てゲストルームとなっている。では、6階から順に降りていってみよう。
6階:男女別に分かれたシャワールームは清潔感あふれる作り
6階のエレベーターを降りてすぐにコインランドリーが2台置かれている。それを過ぎるとシャワールームとなる。男女別に分かれており、男性用、女性用それぞれ5室設けられている。洗面台は5台で、隣り合わせで使うためなのか、間隔を開けて3台のドライヤーが設置されていた。
シャワールームの作りはオーソドックスな感じ。北斗星のシャワールームのような時間制限はなさそうだ。
5階:女性専用のゲストルーム
続いて5階に降りてみよう。ここは女性専用のゲストルームだ。入り口の扉には「オロハネ24 554」と「オロネ25 504」の銘板が取り付けられている。階数表記も、号車番号を示すのと同じサイネージとなっている。ここに宿泊できるのは上下段合わせて23人(うち半個室1人)だ。
入ってすぐ正面は半個室のスペース。A寝台で使われていたソファベッドが取り付けられているほか、頭の上にある照明などは、寝台車に取り付けられていたものが配置されている。2段ベッド全体はB寝台のベッドが備え付けられているが、入り口に一番近いところにある寝台はA寝台のものとなっていた。値段は変わらないようなので、ちょっとお得感があるかも。
4階:男女混合の宿泊スペース
続いて4階へ移る。基本的な構造は5階と変わらないが、ここには個室はなく、全て開放寝台となっている。ちなみに、B寝台に当たる普通のベッドは、寝やすいように、使われていた当時よりも10センチほど幅を広くしてあるそうだ。
3階:男女混合の個室を用意
3階に入って正面には、男女混合の半個室スペースが用意されている。こちらも、A寝台で使われていた机とベッドが移築されている。
2階:ラウンジと共用キッチンも
2階には宿泊スペースのほか、ものを食べたりできるラウンジスペースと、ちょっとしたものなら調理ができる共用キッチンが置かれている。
いかがだっただろうか。JR東日本企画の持ちビルをリフォームすることになったときに、たまたま北斗星の寝台車が解体されるという話があり、これを使ってホテルにしてはどうかとなり、プロジェクト自体は2015年12月からスタートしたのだという。宿泊費も2500円から4000円ととてもリーズナブルなので、終電を逃してしまったときや、寝台車の雰囲気にもう一度浸りたい場合など、泊まりに来てもよいだろう。
(今藤弘一)
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無くなっちゃうのはやっぱり寂しい。