新海誠監督作品の著作権侵害で問題になっていたTopBuzz Japanの画像加工アプリ「Everfilter」について新海監督作品「君の名は。」を配給する東宝は「許諾していない」とあらためて見解を示した。
写真を手軽に「君の名は。」風に加工できると宣伝していた同アプリは12月3日にリリース。ディープラーニングでアニメっぽい画像に変換させるという説明だったが、背景に盗用した画像をそのまま貼り付けているだけなのではないかとの指摘を受けていた。開発元であるTopBuzz Japanは著作権上問題があったとして4日、利用者と新海監督へ謝罪し、無断使用していた映像についてはアプリで利用しないよう対応したと発表した。
謝罪文では「中国国内ではライセンスを受けていたものの、誤って海外版にも使用してしまった」「使用をすぐさま停止し、著作権元である新海誠様へのご連絡もさせていただきました」とあったが、新海監督が所属するコミックス・ウェーブ・フィルム(以下、CWF)によると許諾していないし、中国国内でのライセンスについても確認できていなかった(関連記事)。
東宝の広報担当者は5日の段階で著作権違反が濃厚だとして調査を開始。「権利侵害の可能性が極めて高い」とし、中国の配給会社を通じてアプリの配信停止を求めたという。7日、「Everfilter」は公開を一時停止し、あらためてFacebookとTwitterで謝罪している(関連記事)。
謝罪文では現在のEverfilterには著作権問題となるコンテンツはないとしながらも「深く反省し、おわびの意を表するために日本、韓国を含むリリースした全ての地域においてApp StoreおよびGoogle Playでの配信を一時停止することを決定しました」と釈明した。ここでも新海監督へ連絡したとの記述があるが、東宝側は把握していない。
「(当該のアプリについては)引き続き調査しているところ。また、同様の事例があった場合は配信の停止を依頼することになる。権利侵害については厳正に対処する」とねとらぼの取材に答えた。
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