10月にリニューアルオープンしたキリンビール横浜工場。1991年に工場見学を開始した長い歴史を持つ、まさに工場見学のパイオニア的存在です。ビール作りのイロハを学び、お楽しみの試飲会も含む工場見学は、バスツアーでの来場やリピーターも多い人気のスポット。そんな人気の工場見学ツアーに参加してきました。
スタート時間より少し前に到着。スタッフが「開始まで奥のコーナーをご覧ください」というので、明るく開放的な空間の中に行ってみました。ただの展示だと思い、あまり期待していなかったのですが、よく見ると意外とオモシロイ! 昔と今のビール瓶の重さを比べたり、6缶パックのケースの仕組みなど、いつもは気に留めないことを体験しながら知ることができるのです。
さて、そうこうしているうちにツアーが始まりました。まずはシアターに案内されました。キリンビールの歴史などが斬新なイラストでテンポよく軽快に流れます。そうなんだ〜と豆知識を得た気分です。
シアターを出て次に向かった場所は、フワーッとビールの香りが鼻をくすぐるエリア。壁には炭酸がシュワシュワーと下から上へと流れています。足を止めて香りと音を堪能していると、なんだかリラックスしてきました。ビールって、こんないやし効果があったのか!と驚きです。ちなみにビールを飲んだことのない子どもたちは、この香りをから揚げとかスパゲティとか言うそうです。
続いては、麦芽とホップを比べる「素材コーナー」に到着。この2つって、確かにどういったものなのか知らずにビールを楽しんでいる人も多いでしょう。もちろん、筆者もです!
各エリアで、こうした体験をしながら進むこの工場見学は、ビールのことを知らなくても自然と知識を得てしまいます。その構成の巧みさに感心しながら、見学のメインイベントともいえる場所に向かいました。
そこは「仕込みコーナー」。眼下の大きな釜の中では実際にビールが一番搾り製法で仕込まれているそうです。“ザ・工場見学”といえるような光景に、参加者は驚きの様子。「へぇ〜、大きいね〜」などと、みんなで言いながら見ていると、あたりが暗闇になり“ショー”が始まりました。
窯の下がガタガタと崩れ落ち、窯の中があらわに。プロジェクションマッピングなどを組み合わせて、窯の中で行われている「一番搾り製法」の仕込み工程を知ることができるのです。ビールってこうやって作られるのかと、小学生の社会科見学に来た気分で見入ってしまいました。もちろん、ほかの方も映像にくぎ付け。
画期的な映像で「一番搾り製法」の工程を見た後は、「一番搾り麦汁」と「二番搾り麦汁」の試飲です。こんなサプライズがあるなんて! という表情で、参加者全員がワクワクした様子。アルコールは入っていないので、誰でも味わえます。まずは二番搾り麦汁から。うん、おいしい。次は一番搾り麦汁をゴクリ。うっわー、甘い! あちこちでオイシイという歓声が響き渡ります。筆者も意外な味わいに驚きを隠せませんでした。
さぁ、仕込みが終わったら次は発酵の工程です。というわけで、発酵タンク内部の世界に入リこむ演出がなされたエリアにやってきました。ここでも「体験」があります。指で三角形を作り机の上に手をかざします。すると、あら不思議! あるものが現れはじめ、発酵がどのように行われるかを詳しく学べるのです。
ビールは発酵が終わったらろ過され、パッケージされます。そのパッケージングの製造ラインに潜入したかのような映像を楽しめるのが次のエリア。臨場感あふれる映像で、ここでも童心に返った気分で見入ってしまいました。
ビール作りの工程を見学し終わると、ビール好きにはたまらない試飲の時間。広々とした空間で、先ほど見た大きな窯を見ながらグイグイっといただけます。
試飲できるビールは常時3種類、時期によって内容が変わるそうです。アルコールが苦手な方やお子さんにはジュースなどノンアルコール類もそろえています。みなさん、ご機嫌な表情で、「うまい!」の一言を連発していました。
さて、全てが終了したので出口に向かうと、お土産コーナーといわんばかりのファクトリーショップが。思わず物色スタートです! ここだけの限定品がところせましと並んでいます。
季節や入荷状況によって、その時に店頭にない商品もあるそうですが、なかなかのレアものぞろいでした。
約60分間の工場見学と20分間の試飲というキリンビール横浜工場の見学ツアー。リニューアルのコンセプトは「リアルなものはよりリアルに」「目に見えないものは映像で」です。普段なにげなく飲んでいるビールについてをたっぷり学び、体験できて、大満足の80分間でした!
(茂木宏美/LOCOMO&COMO)
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