「ハンバーグにホチキスの針」 指摘するも対応されず、客が怒りのツイート 料理店が謝罪
店側に異物混入を指摘したが誠実な対応がなされなかった――Twitterでの匿名ツイートが話題に。店側がブログで対応不足を謝罪した。
東京・新宿の肉料理店「300B ONE 新宿店」で「ハンバーグの中にホチキスの針が入っていた」と店側に指摘したが対応してもらえなかったという匿名ツイートが、27日未明から注目を集めている。11時30分ごろお店の代表は公式ブログで、対応不足があったことを謝罪。電話番号をメールで送るよう投稿主に呼びかけている。
27日1時ごろ、ツイートを投稿したのは@uechan_angelさん。「ハンバーグの中にホチキスの針が入ってたのを、周りに聞こえないように静かに伝えたのに謝罪一つなく、上司に伝えて貰えましたか? って聞いたら上の者は忙しくて手が離せません、との事。新宿の300B ONE」と事情を説明。Twitterでお店の公式アカウント(@300BONE)に代表の電話番号を尋ねたところ、すぐブロックされてしまったいきさつを報告した。
投稿は半日足らずで1万6000回以上リツイートされるなど話題に。「あまりにも誠意が無さすぎる!」「対応が酷い! 保健所に電話した方がいいよ!」と、店の対応を非難する声が多く寄せられた。
店側は公式ブログで「謝罪 大変申し訳ありません」というタイトルのエントリを公開。「先日、ご来店のお客様にハンバーグの中にホチキスの芯が入っていたとの指摘をいただきました」と指摘が実際にあったことを認めつつ、対応できなかった理由を次のように説明した。
「ちょうどお店がピーク時間に入っていて、自分が厨房から出るとすべてのオーダーが止まってしまうので、少し落ち着いたら出ようと思っていたのですが その日のお客様はかなり食べられる方ばかりで、手が追いつきませんでした 時間が過ぎてそのお客様が帰る時間になっているのも気が付かず謝罪をすることができませんでした お客さんに呼び止められ、お叱りを受けました 大変申し訳ありません」(ブログより)
ホチキスの針の混入については「ハンバ―グは当店で私自身が焼いており、厨房でホチキスを使うことはないので混入経路についてはわかりません」としつつ、「ただし当店で出したものにお客様が入っていたということなので謝罪いたします。大変申し訳ありません」と重ねて謝罪の意を表明した。
Twitterでブロックしたことについては、「そのお客様かどうかは当店ではわかりかね、ツイッターではブロックをしました 代表の電話といっても私個人の携帯しかないのでそれをツイッターで知らない人に教えるわけにはいきません」と説明。当人に連絡が欲しい場合はメールで電話番号を送るよう要請している。
ネットではブログに対し「これで反省しているとは到底思えない文面」「謝りながら言い訳をして、結局謝っていない内容」など批判の声が相次いでいる。謝罪文には「料理の安全性について、自分自身休みは取らず、毎日朝9時から午前0時までしっかり作り上げているのでご安心ください」ともあり、「だからホチキスの針が入ったりするんだよ。休めよ」と厳しい指摘も寄せられていた。
お店の代表・松井裕志さんに電話取材したところ、今回の件が起こったのは25日夜。当日の様子は次のようなものだったと話す。
食べ放題コースを注文している5人組客のうち1人が、「ハンバーグにホチキスの針が入っていた」と、ホチキスの針をおしぼりの上に載せて提示しながら店員に上司を呼ぶよう指摘。代表は報告を受けたものの店が忙しくて後回しにしてしまい、約2時間後、お客が帰る時間になるまで対応しなかった。店員から再度報告を受けてうかがったところ、先方はかなり怒っている状態だったという。
お客は代表の音声をスマホで録音しながら「出るところは出る」と主張し、代表も「仕方ない」と応答。しかし連絡先や名前を聞かないまま、本人を店から帰してしまった。「店を回すのが忙しすぎて正常な判断ができず、聞き忘れてしまいました」「最初にうかがうのが遅れたことも含め、総じて対応が悪かったと反省しています」と振り返る。
ホチキスの針が混入した事実は確認できていないとのこと。「20年、自分でひき肉をひいて食材をつくっているため、混入したとは考えにくいところがあります。しかしお客様が主張しているからにはそれを信じない訳にはいきません。ホチキスの針はレジにも置いてあるため、入った可能性がないとも言い切れないです」と話す。
なお@uechan_angelさんはユーザーとのやりとりで、「対応があまりにも腹立たしかったので、ホチキスを返してください! って言ったんですが、捨てた、と言われました」と漏らしていた。実際にホチキスの針は最初におしぼりごと回収し、ゴミとして捨ててしまったという。
Twitterの話題を受けてからの対応となってしまったことには、「お客様から指摘があった事実をもみ消すつもりはなかった」と弁明。もともとお客からは保健所や消費者センターを通して通達を受けると思い、顧問弁護士もいるので連絡がきたら対応していくつもりだった。「突然Twitterにあげられていてびっくりしました。当店はTwitterのおかげで有名になったところもありますので、逆にこういうこともあるのだとあらためて実感しました」(代表)。
朝の時点で「潰れろ」「閉店」といったメールが30件以上届いていたが、当人からのメールは今のところ確認できていないという。「当店ではおいしいものをお腹いっぱい食べて帰っていただくことをモットーに営業しているにもかかわらず、お客様には大事な食事の時間を台無しにしてしまいました。対応を含め、大変申し訳ございませんでした」(代表)。連絡が来たら誠意をもって対応していくとしている。
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