日本女子大学は1月10日、休学にかかる費用を2017年4月から年間20万円に改定すると発表しました。これはある卒業生が2016年10月に高額すぎる休学費用について、ブログで一石を投じたことを受けての改定とみられます。
ことの発端は卒業生のまなか(@mnc4mnc )さんがバックパッカーとして世界をめぐるために休学をしようとしたところ、休学するためには施設設備費(29万円)、図書費(1200円)、在籍料(在籍する学部の授業料の半額)などを合計した休学費用が必要だと知ったことから。在学当時、大学側に値下げの直談判を行ったとする経緯をブログmanazo.comで明かしたことです。
まなかさんはブログで「籍を残すだけなのに、たったそれだけなのに、1年間受けない講義と使わない施設と読まない図書のために66万円」と、当時の思いや学生総会に参加した経緯、日本女子大学の経理課に値下げ交渉を行ったことなどを振り返り、話題となっていました。
ブログが話題になっていた当時、大学側を取材したところ「卒業生から在校時に申し出を受けた際にも十分に検討したが、今後は重要な課題として再検討していきたい」と回答しており、まなかさんのブログが今回の休学費用改定のきっかけになった可能性は高いとみられます。
改定後の休学費については、これまで必要だった「休学期間中の授業料・施設設備費・学生図書費」が免除され、在籍料は「半期10万円(年間20万円)」に。2017(平成29)年度4月から対象者に適用されるとのことです。
改定を受けてブログを更新したまなかさんは「日本女子大学に通う学生たちが、私の代わりにリベンジを果たしてくれ、そしてついに! 休学費改定の通達をいただいたと報告してくれました〜!!!」と喜びの報告。
「5年前の私が疑問に感じていた、『1年間受けない講義と使わない施設と読まない図書のため』のお金は要らなくなりました。66万円から20万円に減額となれば、学生の経済的負担はぐんと軽くなるはずです」とつづり、「5年越しの夢が叶いました」と編集部に現在の心境を明かしてくれました。
休学費用が比較的高いといわれる女子大学のなかで、画期的な改定に踏み切った日本女子大学。こうした流れが日本の大学全体に良い影響を与えることを祈るばかりです。
(Kikka)
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