ご当地の食材を一番おいしく食べる方法を知っているのはご当地の人――。というわけで、今回からスタートする「ご当地めし」では、旬のご当地食材をおいしく食べられる方法をご紹介いたします。
第一回「セリ」はとにかく根を食べよう
今回取り上げる食材は「セリ」です。セリは春の七草としてもおなじみの野菜。冬から春にかけてが旬といわれており、スーパーなどでも見かける機会が増えてきましたね。
しかし七草粥ぐらいでしか食べる機会の少ないセリ。一体どうやって食べたらおいしいのか……。セリの出荷量全国4位の秋田県出身の編集長に聞いたところ、「セリは鍋で食べるとうまい」とのことだったので、今回は秋田のブランド野菜「三関(みつせき)セリ」を用意しました。
編集長に「それにしても根が立派ですねぇ」なんて話していると「根を食べるからね」という衝撃の発言が。根って食べられるの? 一体どんな味なんだろう……根。
というわけで、井上陽水さんの奥さんで元歌手の石川セリさんの名曲、「朝焼けが消える前に」をかけながら早速調理していきます。
まずは根についている泥を流水で落としていきます。泥が根の奥に入り込んでいる場合もあるので、気になる方は歯ブラシやスポンジなどで洗い落とすとよいと思います。
秋田ではきりたんぽ鍋にセリを入れるそうなのですが、きりたんぽが入手できず断念。今回は冬のお鍋に大活躍の「牡蠣」をセリと一緒に購入しましたので、「セリ牡蠣鍋」を作ってみたいと思います。
セリの味をより感じやすくするために、具材はセリと牡蠣のみに限定。おだしは市販のものでも大丈夫ですが、編集部ではゴマペースト、豆乳、カツオだし、塩で味を調えたものを用意してみました。おだしが冷たいうちから牡蠣を入れて、弱火で火にかけます。
牡蠣にしっかりと火が入ったら、セリの根、茎、葉の順に入れます。さっと火が通ったら完成です。まずはセリの茎からいただきます。シャキシャキとした歯ごたえとふんわりと香る独特の風味がたまらなくおいしいです! 七草粥では感じられなかったセリ本来のみずみずしさが感じられます。
続いては編集長オススメの根。こちらは茎とは違い、しっかりとしたシャキシャキ感があって、なんとも不思議な食感です。例えるならば細くしたゴボウのような食感といった感じでしょうか。根の細い部分にも牡蠣のうま味がしっかりと入り込んでいて、たまりません。また途中、味変でカボスを絞ってみると味が締まる感じがしましたので、お好みでどうぞ。
いやぁ、セリがこんなにもおいしいものとは思いませんでした。そして根には一度食べたらクセになる独特のおいしさがあることも分かりました。
お肉とも相性抜群
さらに調べてみると「セリはお肉とも相性がいい」という情報を発見したので、2日連続でセリを買いに行きました。が、昨日買った三関セリは売り切れており、別の種類のセリを入手しました。
お肉を使った鍋といえば、やっぱり日本のソウルフード「すき焼き」でしょう。ということで2日目はすき焼きを作ることにしました。
具材をお肉、セリ、焼きネギに限定。さっとお肉に火を通したらすかさずセリを投入し、卵に具材をダイブさせてみました。もう食べる前からうすうす「どうせおいしいに決まってる」とは思っていたのですが、これはすごいです。セリの独特の風味がおだしにうつったことにより、お肉のうま味が増している気がします。すごいぞ、セリ!
と、お鍋で食べるのもおいしいセリですが、おひたしや混ぜご飯、いため物など、いろいろな食べ方があります。調理のポイントは、とにかくセリのシャキシャキ感を損なわないよう「火を通しすぎないように注意すること」。皆さんも今年はセリ料理にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
(Kikka)
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