音楽教室から著作権料を徴収する方針を示し、議論を呼んでいる日本音楽著作権協会(JASRAC)(関連記事)。そんななか、「150席未満の会場で行われた演奏会の場合、著作権者に著作権料が配分されない」とするツイートが登場し、広く拡散されています。
発端となったのはとある演奏者のFacebookを引用した第三者によるTwitterの投稿(現在Facebookは友人以外は見られなくなっているとのこと)。それによると、演奏会を行った際に著作権料を経費として捻出しJASRACへ支払ったが、後日著作権者と話した際に“著作権料の入金はあったが、投稿者の演奏会に関する項目が明細になかった”と説明をうけたとしています。その後、著作権者側が明細に項目がなかった理由をJASRACに問い合わせたところ、その理由は「規定する席数未満の場合、著作権料が事務処理費でほぼ無くなることが多いため」というものだったそうです。
この投稿を受け、ネット上ではJASRACに対する批判が殺到。「JASRACは本当に問題の多い組織」「何の為に活動しているんだ?」「徴収する必要自体がそもそもないってことだよね」など辛らつなコメントが多く挙がっています。
実際、「小規模な会場での演奏会では著作権料が分配されない」ということはあるのでしょうか。
JASRACに問い合わせたところ、「ライブハウスなど小規模な会場もあるので、150席未満だからといって、著作権料を配分しないということはあり得ない」と明言。ただし、ヒューマンエラーによって正常な配分がされなかった可能性はあるとし、「現在は各種申請の電子化が進んでいるものの、2000年代前半の紙による申請が行われた時期に手違いが起こったということはあり得る」とコメント。この件が拡散されていることについてはJASRAC側も把握しており、現在事実関係も含め、ヒューマンエラーが起こっていなかったかどうか調査を進めているそうです。
JASRACの著作権料を巡っては、「電車の発車メロディを作る際、著作権料をJASRACに支払っても、著作権者にお金が分配されない」とするツイートが拡散。JASRACはこれについても「分配は間違いなくある」と否定しています(関連記事)。
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2009年から7年にわたり争われていましたが、これでJASRACに対する排除措置命令が確定した形となります。