第153回芥川賞を受賞した又吉直樹さんの小説「火花」の映画化が東宝から発表されました。auのCM「三太郎」シリーズの「鬼ちゃん」「浦ちゃん」でも知られ、ともに大阪出身の菅田将暉さんと桐谷健太さんのダブル主演で、監督は板尾創路さん。2017年11月に公開予定です。
漫才の世界で結果を出せず底辺でくすぶっている青年・徳永と、強い信念を持った先輩芸人・神谷が現実の壁に阻まれ、才能と葛藤しながら歩み続ける姿を描いた又吉さん初の純文学作品は、累計発行部数283万部(文庫初版部数含む)を突破するベストセラーに。2016年6月にはストリーミング配信大手の「Netflix」で連続ドラマ化されたほか、コミカライズ作品も登場しています。
映画のメーンキャストには、又吉さんが「お三方とも僕にとって色気と才気が爆発している特別な俳優」と話す菅田さんと桐谷さんに加え、神谷の恋人で作品のヒロインとなる真樹に木村文乃さん。徳永と神谷、それぞれの相方には川谷修士さん(2丁拳銃)、三浦誠己さんがキャスティングされています。
「語りを画にして登場人物の思いを観客に届けるのが私の今回の一番の仕事」と語るのは、監督の板尾さん。これまで「板尾創路の脱獄王」「月光ノ仮面」などで監督経験もある板尾さんについて又吉さんは「子どものころから尊敬している板尾さんに預かっていただけることがうれしくてなりません」とコメント。なお、同作の脚本には板尾さんと長年付き合いのある映画監督の豊田利晃さん(『青い春』『クローズEXPLODE』など)が参加します。
徳永を演じる菅田さんは、2016年だけで9本、2017年も「キセキ―あの日のソビト―」「帝一の國」などの主演作がある人気の若手俳優。芸人を演じることには怖さがあったといいますが、「板尾さんと出会ってなんかもうどうでも良くなりました」とリラックスして臨んでいる心境をコメントで寄せています。それぞれのコメントは以下の通りです。
菅田将暉コメント
お笑いがなかったら、今の僕は存在していないと思います。常に芸人さんの繰り出すパンチが好きで好きで好きで好きで仕方なかった。人を笑わす、この痛みが無いと生きていけないとすら思っています。そんな自分にとって神様であり日常である芸人さんを演じるという事にものすごく怖さがあります。
でも板尾さんと出会ってなんかもうどうでも良くなりました。だってこんなにおもろそうな座組。原作。そして聞いたら芸人さんあるあるだと言うじゃないですか。知りたい。そんな欲求がある事をお赦しください。ただ好きなものにまい進して良いと言う許可が下りたので、この度マイクスタンド一本のステージに立たせて頂きます。
映画『火花』宜しくお願いします。
桐谷健太コメント
幼いころから、人を笑かして笑顔と笑い声が生まれた時のエネルギーが大好きでした。
同時にウケへんかったら…とゆう、底知れぬ恐怖を感じ、眠れない夜も何度もありました。
人に笑ってもらえる最上の喜びと、この上ない困難さ。それをなりわいとする芸人さんは狂気の沙汰。怪物です。そんな世界に生きようとする、いとおしい男たちの物語。役者が芸人を演じるのではなく、芸人を生きます。あーコワ。
木村文乃コメント
誰もが知ってる物語の、誰もがどこかで経験したことのある苦さのなかで、少しだけホッといられるような存在になれるよう、板尾監督を信じてスタッフキャストの皆さんと一歩一歩踏みしめていけたらと思っています。
監督:板尾創路コメント
この小説を映像脚本にするのは大変苦労しました。
語りを画にして登場人物の思いを観客に届けるのが私の今回の一番の仕事だと思い半年かけて脚本を作りました。キャスティングに関しては、関西出身のドリームキャストで何の心配もしていません。最終的に「スパークス」と「あほんだら」という二組の漫才コンビを誕生させ、M1グランプリに出場させたいです。
原作:又吉直樹コメント
「火花」は自分の作品ではありますが、舞台に立ったすべての芸人、それを支えてくださった多くの人達が大切に共有していた風景を、たまたま僕が書かせてもらっただけだと思っています。謙遜などではなく、むしろ大それた恥ずかしい発言かもしれませんが本気です。
その風景を子どものころから尊敬している板尾さんに預かっていただけることが嬉くてなりません。脚本は豊田利晃さん。僕が東京で最初に好きになった大人です。キャストを聞いたときも興奮しました。菅田将暉さん、桐谷健太さん、木村文乃さん、お三方とも僕にとって色気と才気が爆発している特別な俳優さんです。そして、2丁拳銃・修士さん、俳優の三浦誠己さん。昔からお世話になっている大好きな先輩なので心強いです。なぜでしょう。
監督、脚本、俳優、優しいけれどけんかが強い方々ばかりがそろった印象です。ドキドキしてきました。よろしくお願いいたします。
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