なぜオッサンはかわいいに憧れるのか 「バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん」独占インタビュー(前編)(2/3 ページ)
バーチャルYouTuberが脚光を浴びる中、昨年末にわかに知名度を上げた「バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん」こと「ねこます」氏にインタビューしました。
── わー! 最初に聞きたいのは、今、Twitterなどで大いに話題になっているじゃないですか。あれはいつ気付かれたんですか?
ねこます:話題になっているのに気づいたのは、Twitterでやけにいろいろな方の通知が来るなと思って、タイムラインを見たり、検索したりして気づいた感じです。「にゃるら」さんのツイートが出て、だいたい10〜15時間ほどで記事に気付きました。
── 自分のことについて取り上げられたわけで、どう感じました?
ねこます:意外なところで、意外な方に記事にしていただいたなというのと、反応も完全に意外で、突然起こってパニック状態みたいな感じでした。
── 当時はご自宅にいられたかんじですか?
ねこます:そうですね。多分家でゴロゴロしながらスマホを見ていた感じだったと思います。
── バイト中ではなかった?
ねこます:ちょうど休みだったんです。気づいたときが。それで休みの間中にいろいろ伸びていって、急いで動画も出したりして大変でした。
── ネットでも、イラストを描いてもらたり、好意的な声をもらったりといろいろな反応がありました。
ねこます:本当に身にあまる思いといいますか、自分も絵を描くのですが、自分のレベルと釣り合わないほどうまい人や有名な方が書いてくださって、とにかくひたすら恐縮という思いです。その中でも、驚いたのが、自分もファンだった「SHOW BY ROCK!!」の「クリクリ伝説」というアンソロジーを書いている羊箱さんに描いてもらえたのが衝撃的でした。世の中、生きていればいいことあるんだなって。
── 何をおっしゃいますか!
ねこます:現実は世知辛くても、ネットはあまり世知辛くないという。
── その直後にVRChatにまつわる動画を速攻で出されていました。
ねこます:VRChatのことをどうしても伝えたかったので、もう多分失速するだろうという気持ちで急いで出した感じです。
── いやいや。今やYouTubeの登録者数も急増していますし。
ねこます:にゃるらさんに記事を書いていただいた時点で300ぐらいでした。
──それが今や8000超えですよ!(※)
ねこます:パズドラ並みの倍率ですね。
── でもそれはとても面白いことをやっていて、それがみんないいと思ったからこそ出た結果だと思います。
ねこます:いや、なんかそれも過大評価な気がしてて、こういうことをできる人とか、他にも面白いことをできる人なんてたくさんいるので、それは偶然見つかったかどうかの違いかと思います。
今回「はてなブックマーク」の人に受けたというのが強かったです。自分もブログを書くことがありますが、はてブの人に受ける記事を書くとアクセス数が伸びるというのが体感としてあります。あとは自分のコンテンツがTwitterとの親和性が高かったので、バズりやすかったのかなと。やっていることがどうというよりは、いろいろな条件がうまくかみ合った印象です。
「アレは狙ってできない」
── そもそも、かわいい外観なのに、地声で行くみたいなスタイルで行こうと思ったのは、なぜだったんですか?
ねこます:こういうスタイルをつくろうとしてつくったわけではなくて、もともと自分とキャラクターの動きを同期させて表現したり遊んだりするのが好きで、その過程で声をどうするかという問題があったんです。他の方ではボイスチェンジャーを使ったり、あえてボイスチャットを使わなかったり、自分の発言をボイスロイドに置き換えたりしていますが、それらの処理が面倒臭いのと、インターネットだと音質が大事で、ボイスチェンジャーを使うと音がガビガビになってしまうので、地声がいいという理由があります。実際のところみなさんも「慣れれば大したことがない」ということに、だんだん気づいていくと思いますが……。
── 確かに(笑)。でも外観をここまで可愛くつくり込んだわけじゃないですか。なぜそこでもう一歩踏み出さなかったという。
ねこます:なんでしょうね。スタイルとか、表現方法とかっていうよりは、まず動画を作るモチベーションが「Unity」(※編集註:ゲームなどのソフトをつくるためのツール)を勉強しようというところから始まっているんです。でもただ1人の世界で閉じこもったままUnityを勉強するのはつらいので、動画にするという目標があれば挑戦する気持ちになれるし、Unityで新しいことができるようになったらさらに動画にも使えるとうまく回っていくんじゃないかと思ったんです。そのUnityの練習をしたかったというのが一番のモチベーションなので、いろいろと投資がかかってしまうこともあってボイスを気にしなかったわけです。
── ヤバい、カッコいい。
ねこます:あとはVRChatで慣れてしまったというのもありますね。
── そうか! みなさんもアバターでかわいいけど、声は男みたいな。ん? ちょっと待ってください。ここに集まっていただいた方々は、20人ぐらいいらっしゃいますがみなさん男性だったりするんですか?
ねこます:そうですね。女の方は1人もいませんね。
── マジで! 女性アバターしかいないですよ! あっ獣の方が1人いらっしゃいますが。
ねこます:この絵で女性の方が1人もいないまま会話が飛び交う世界観です。
── すごいなー。かなりカッコいい。
ねこます:そうですね。VRロッカーですね。
── (笑)。そういえばねこますさんの動画の内容もロックなぶっちゃけ系ですよね。かわいいキャラなのでもっとかわいいことをする選択肢もあったわけじゃないですか。
ねこます:そうですね。もうちょっと「にゃんにゃん」とかやったほうがよかったってことですよね?
── ポッキーゲームの冒頭の勢いとか、ほんと神的じゃないですか。
ねこます:なんかそれしか思い付かなかったというか、なんであの動画になったんですかね。自分でもなんであの動画になったのか……。
── 脚本とかはつくっているんですか?
ねこます:頭の中にある「こういうことをやろう」というふわっとしたイメージを取りあえずやってから編集している感じです。だから他のバーチャルYouTuberさんみたいな感じで、今回は自己紹介をやろうとか、王道ネタをやろうとか特に考えないで、普通にラフな感じでやった結果がアレということでお願いします。
── いやでも、アレは狙ってできないですよね。
ねこます:自分も狙ってやってないので、狙ってできないと思います。
── 普段の「ねこます」さんも楽しませる系のキャラなんですか?
ねこます:いやぁ、ああいう感じじゃないです。「のじゃー」とか普段言わないですよ。当たり前ですが(笑)。
── そりゃそうですね(笑)。動画で決して「のじゃ」を忘れない精神も素晴らしい。
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