「義理チョコを、やめよう。」そんなワードで始まる新聞広告がSNSで話題となっています。広告を出したのは世界から愛されるチョコレートブランド「GODIVA」(ゴディバ)でした。ゴディバジャパンに背景を取材しました。
この広告は2月1日の日経新聞に掲載された一面広告。「バレンタインは純粋に気持ちを伝える日」「この時代、義理チョコはないほうがいい」とバレンタインにチョコレートを用意してきた日本の女性をねぎらいつつ、男性に対しても「“義理チョコ、無理しないで”と伝えてほしい」と呼びかけるものでした。世界的に有名なチョコレートブランドが出したこの広告は、SNSを中心に大きな話題となることに。
チョコレートメーカーにとってはビジネスチャンスとなるはずのバレンタインデーですが、なぜゴディバジャパンはこの広告を出したのでしょうか。この広告についてゴディバジャパンに取材を申し込んだところ、社長を務めるジェローム・シュシャン氏から回答がありました。
―― なぜこの広告を出したのでしょうか。
シュシャン:まず、私たちが大切にしたいのは、バレンタインデーの主役は、「もらうひと」ではなく、「あげるひと」ではないか、ということです。「あげるひと」にとって「楽しい」バレンタインデーかどうか、それがもっとも重要なことではないかと考えました。
ですから、義理チョコをあげるのが楽しいと考える人、ごあいさつとして知り合いの方に配る、それが自分にとっても楽しい、と考えている方には、今後ともぜひ続けていただきたいですし、そのような方のための商品開発は続けていきたいと考えます。でも、もし義理チョコが少しでも苦痛になっている人がいるのであれば、それはやめたしまったほうがいいのではないか、と私たちは思います。それが今回の新聞広告の趣旨です。
お客さまが楽しくないバレンタインデーは、私たちチョコレート会社にとっても楽しくないバレタインデーです。そういう楽しくないバレンタインデーから無理に利益をあげたいと、私たちは考えていません。私たちだけでなく、全てのチョコレート会社、それを売るお店も、気持ちは一緒ではないでしょうか。あげる人が主役のバレンタインデー、あげる人が心から楽しめるバレンタインデー、それが、Godivaの理想です。
海外では、女性同士でバレンタインデーを祝うギャレンタインデーなど、新しいバレンタインデーの楽しみ方が広がりはじめています。私たちは、今回のキャンペーンで、こういう新しい楽しみ方もご紹介しながら、みなさんにぜひとも「バレンタインデーをもっと好きになってほしい」と考えています。
―― 「義理チョコをやめよう」と明言することに抵抗はなかったのでしょうか。
シュシャン:前述の通り、楽しんでいる方には続けていただきたいという思いがございましたので、抵抗はございませんでした。
―― 義理チョコにも大きな需要があるはずですが、売り上げへの影響は考慮しましたか。
シュシャン:広告のメッセージを読んでいただければ、影響はないと考えました。
―― 社内に義理チョコの文化はありますか。
シュシャン:その日は社員のほとんどが外出しておりますので、あまりないようです。私も全然もらえません(笑)!
「バレンタインデーをもっと好きになってほしい」という意思のもと出された広告が火付け役となり、「GODIVA」「義理チョコ」がトレンド入りすることに。「どうせGODIVAは本命用だろ」などの意見もあるものの、おおむね共感を集めているようです。
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