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「日本の文化が滅びてしまう」 日本漫画家協会が海賊版サイトについて見解を発表
「全く創作の努力に加わっていない海賊版サイトなどが、利益をむさぼっている現実があります」。
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日本漫画家協会は2月13日、海賊版サイトについての見解を公式サイトで発表しました。「このままの状態が続けば、日本のいろいろな文化が体力を削られてしまい、ついには滅びてしまう」と、海賊版サイトが文化の衰退を招くことを憂慮しています。
同協会は、1964年に日本唯一の漫画家の全国組織として設立。現在約1400人の会員で健全なる漫画の普及に関する事業を行っており、理事長は『あしたのジョー』等で知られるちばてつやさん、常務理事には植田まさしさん、里中満智子さん、松本零士さんなど人気漫画家が名を連ねています。
見解では、デジタル技術の進歩によって漫画が以前よりも気軽にたやすく読んでもらえるようになった現状を肯定した上で、「全く創作の努力に加わっていない海賊版サイトなどが、利益をむさぼっている現実があります」と指摘。
創作活動では作り手と受け手が“きちんとした「輪」の中でつながっていることが大事”だと説明しながら、「私たち作り手は、どんなに頑張っても、その『輪』の外側では作品を作り続けられないのです」「このままの状態が続けば、日本のいろいろな文化が体力を削られてしまい、ついには滅びてしまうことでしょう。そのことをとても心配しているのです」と、作り手に利益をもたらさない海賊版サイトの問題を訴えました。
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