世の中にiPodはもちろんMDすらなかった1980年代、外で音楽を聞く手段といえばカセットテープが主流でした。そんな思い出をつづったイラストが、Twitterで共感を呼んでいます。特に40代以上の人に見てほしい。
その当時、レコードやCDを満足に買えずにレンタルショップで借り、テープにダビングして聞いたという人は多いはず。投稿主のもひかん(@mohikan1974)さんは、それにまつわる話をまとめています。例えば曲のイントロが切れないように、テープの透明部分を手作業で巻き取ってから録音したり、レタリングシートでケースのラベルを作ったり。「BOOWY」の真ん中の斜線を表現するのに困って、枠線を使って自作する友人とかいたなあ……。
テープの尺に関する話も。レンタルショップのCDには総再生時間が記されており、ユーザーはそれに合った長さのテープを買ってダビングするのですが、そのチョイスが迷いどころ。というのもカセットテープにはA面・B面があり、54分テープならば片面27分ずつ録音と、アルバム曲をひと続きで入れられないのです。例えば53分のアルバムを曲順通りにダビングすると、A面が27分を超えてしまい全曲入り切らない恐れがあるわけです。60分テープを使えば余裕をもって録音できますが、それはそれで無音部分が余ってもったいないし気持ち悪い。
そんなときユーザーはどうしていたかというと、「曲順を入れ替えて両面に均等に入れる」「長めのテープを使い、余った尺にシングル曲を入れる」など、いろいろ工夫していました。長いテープにアルバムを2枚入れる手もありましたが、「長尺のテープは薄くて伸びやすいから」と、敬遠する人も多かった記憶があります。
「めっちゃ手間やったけど、その分大切に聞いたなあ」と、もひかんさん。ツイートには、「レタリングのOが足りなくなり、Qを削って代用した」「音楽雑誌を切り抜いてカセットレーベルを作った」といった思い出が寄せられています。また、趣味に限らず、部活や職場で使っているという人もまだまだ多い様子。
リプライが盛り上がるなか、老舗メーカーのマクセルHD公式アカウントも反応(旧・日立マクセル)。同社は現在もカセットテープを製造していますが、それもファンがあってのことなのでしょうね。
(沓澤真二)
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