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こうしてダメな文章は作られる! 読み手を混乱させる「ダメ文」の特徴 その傾向と対策(2/3 ページ)

これさえ守ればダメ文が書ける。

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「ことこと」煮込んだ文 〜繰り返しのダメ成分〜

 同じ表現が繰り返し続くと、文が平板になりますし、読みづらくなります。例えば、次の文をみてください。

この手続きを簡略化することによって、投票の意欲がなくなることがなくなり、期日前投票の投票率が上がることになる。


 これは、実際にわたしが読んだレポートを少し改編したものです(元の文は、読点が一切ありませんでした)。

 さて、この文の問題点は「繰り返される『こと』」です。なぜかは分かりませんが、文章を書き慣れていないひとは「『こと』を繰り返す」傾向があります。このように、「こと」を繰り返すタイプのダメ文を、わたしは「ことこと煮込んだ文」と呼んでいます。わたしの授業を履修してくれている学生のみなさんには、「文をことこと煮込まないように」と注意しています。

 なお、この文ですが、

当該の手続きの簡略化によって投票意欲の向上が見込まれる。そのため、期日前投票の投票率もまた、向上が予想される。


 とすれば、すっきりします。

 「こと」のほかにも、繰り返すことでダメ文になる成分があります。例えば、「的」がそうです。

世界的に共通する文化が、国境を越えた中性的なルールとなる。そのような普遍的な文化的現象が繰り返されることで、進歩的な局面をきりひらく。


 何を言っているか分からないと思いますが、わたしにも分かりません。ただ、ここでは「〜的」が多くて、その「分からなさ」を助長しているのは確かです。

 このタイプのダメ文は、文章を書くことが苦痛なタイプのひとよりむしろ、文章を書く意欲のあるひとが書きがちのように思います。おそらく、「的」の前にくる語にバリエーションが必要なためでしょう。ある程度の語彙力のあるひとでないと、このタイプのダメ文は書けません。

ダメ文のポイント

  • (文章を書き慣れていないひと)「こと」を繰り返す。
  • (ある程度の語彙力があるひと)「的」を繰り返す。


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