長崎の路地に「電話ボックスみたいなリフトがある」「迫力がすごい」とTwitterで話題になっています。これは一体何でしょう。詳細を長崎市に聞きました。
階段に沿って設置されたレールに電話ボックスのような箱がぶら下がっています。その箱に乗ると、坂の上まで連れていってくれます。長崎市は市街地の約7割が斜面という「坂の街」。坂が多い上に、坂自体も急なところが多く、また階段も多い地形です。この地に住む住人のために、長崎市が少人数乗車タイプの懸垂型リフトを設置しました。
この装置は「斜面移送システム」といい、2002〜2004年に掛けて開通。2018年3月現在、市内の3カ所に設置されています。天神町の「てんじんくん」、立山地区の「さくら号」、水の浦地区の「水鳥号」とそれぞれ愛称が付けられています。
ボックスの中には椅子があり、2人まで乗れます。操作には住民の利用者限定で発行されるカードが必要です。
斜面移送システムの全長は、「てんじんくん」と「水鳥号」が約60メートル、「さくら号」が約48メートル。中間にも止まる場所があり、全長60メートルの水鳥号は片道4分強で頂上まで移動できます。速度は分速15メートルとほどよくゆっくりで、足腰に問題がない人ならば「歩く方が速い」くらいだそうです。該当エリアの65歳以上の人、あるいは足腰が弱い人や妊婦さんなど「使わざるを得ない状況」の人が利用できます。
長崎市は人口の3割が65歳以上と、高齢者が多く住む街。長崎市によると、「てんじんくん」と「水鳥号」は1日に約40回、「さくら号」は約10回利用されるそうです。開通から約15年。斜面移送システムは付近の住民には欠かせない、救世主のような乗りものとして愛されています。
画像提供:羊食べる(@hitsuji_eat)さん
(高橋ホイコ)
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