ゲーム攻略サイト「ポケモンGO攻略ニュース」が、競合サイトから画像を無断転載していたとして、サイトを一時非公開としました。また同サイトは「grow.th.inc」が運営元とされていましたが、編集部が確認したところ、シーエー・モバイル(サイバーエージェントグループ)の関連会社であったことも分かりました。
問題が発覚したのは3月29日。攻略サイト「ポケマピ」が「『ポケモンGO攻略ニュース』にサイトの画像を無断で使われている」とTwitterで訴えたのがきっかけでした。その後「ポケマピ」側が掲載した記事によると、転載されていたのは「オスとメスの見た目の違い・見分け方まとめ」ページの画像で、うっすらと入れてあった「ポケマピ」の“透かし”もそのままでした。
「ポケモンGO攻略ニュース」側は指摘を受け、サイトに謝罪文を掲載するとともに、当該の画像を削除。その後4月2日になって「その他の画像等の使用に問題がないか、サイト全体をチェックしております」とし、サイト全体を非公開としました。現在はサイトにアクセスしても非公開のお知らせにリダイレクトされるようになっており、全てのコンテンツが閲覧できない状態となっています。
サイバーエージェントグループの関連会社が運営
また今回の件でもう1つ問題になっていたのが、「『ポケモンGO攻略ニュース』の運営元はどこなのか」という点でした。問い合わせページを見ると運営者は「grow.th.inc」となっていますが、他にはメールアドレスが書いてあるのみで、代表者名や住所、電話番号などは一切なし。ただ“姉妹サイト”として紹介している攻略サイトのURLなどから、ネット上では「シーエー・モバイルの関連会社なのではないか」と推測する声があがっていました。
こうした声を受け、「grow.th.inc」との関係についてシーエー・モバイルに確認したところ、同社の関連会社で間違いないとのこと。また「ポケモンGO攻略ニュース」の無断転載については「今後はこのようなことが起こらないよう、徹底してまいる所存です」とコメントしました。なお「grow.th.inc」側にも同様の問い合わせを行っていましたが、こちらからは現時点で回答はありません。
「SEOの強さだけが評価される現状」に疑問も
また、画像を無断転載された「ポケマピ」運営者からも、今回の件についてコメントをいただきました。
―― 今回の騒動を振り返っていかがでしたか。
ポケマピ:
公表するかどうかは迷いましたが、ポケマピ読者の皆さまから暖かなメッセージを多くちょうだいし、本当にうれしかったです。
―― 盗用が発覚した時はどんなお気持ちでしたか。
ポケマピ:
公表して、しっかり対応をしていただこうと思いました。
本件の記事は、ポケマピの読者の方々からの協力をいただきながら、ポケモンGOを好きでプレイしている人たちの力が合わさって作り上げられた記事だったので、特に思い入れがある記事でした。そのため、怒りと悲しみが入り交じった気持ちになりました。
ポケモンGO攻略ニュースさんがポケマピに似た記事を出すことは確認したことがありましたが、同じゲームを考察しているわけですし、特に明確は証拠があったわけではありませんでした。本件はロゴが薄く入った画像がそのまま使用されていたことから、ポケマピがパクられた側ということは明らかでしたが、どのような形で対応を進めるべきなのかは悩ましいところでした。
―― ポケモンGO攻略ニュース側の対応について、満足していますか。
ポケマピ:
当初ポケマピからポケモンGO攻略ニュースさんに対応をお願いしていたメールは、先方の「迷惑フォルダ」に入ってしまい、すぐには見ていただけていなかったようです。最初は確かに、Twitter上で騒ぎになってきたからその部分だけを対応した感がありましたが、最初のメールを読んでいただいた後は、誠心誠意の対応をいただけたと考えています。
ただ、今回の件がきっかけで、ポケモンGOニュースさんがポケマピ以外からも無断転載をしていた事実が発覚していて、そちらがどのような対応になっているのかは気になるところです。
―― 今後攻略サイトについて、どうなってほしいと考えていますか。
ポケマピ:
難しいことだと思いますが、単にSEOの強さだけが評価されるのではなく、情報を出した早さや内容が、検索順位の評価基準に加わるといいな、と思います。
大手攻略サイトは総じてSEO対策力が抜群です。どんな内容でも、SEO対策力の強さだけで、検索順位の上位を独占することができます。SEO対策力で劣るサイトはどんなにがんばって情報を発信したとしても、なかなか多くの方の目に触れることは難しいというのが現状です。
極端な話、先行して世に出たSEOの弱いサイトの記事を、SEOの強いサイトが丸パクリして後だしじゃんけんで勝負に出ると、SEOの強いサイトの記事が検索の1位になって、SEOの弱いサイトの記事は「1位のサイトの記事をまねたのではないか」と思われてしまうような状況です。この部分に変化があるといいな、と思います。
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