穏やかな春の訪れとともにやってくる、苦しい花粉症。清潔な環境で生活することで、かえってアレルギー疾患のリスクが高まる「衛生仮説」が原因の1つとして知られていますが、花粉症は現代人“だけ”の病気ではありません。実は犬、猫などの動物がかかってしまうこともあるのです。
犬や猫の場合もスギやヒノキ、ブタクサといったさまざまな植物が花粉症の原因になるといわれており、くしゃみ、鼻水などの症状が現れます。対処方法としては、花粉が飛ぶ屋外への散歩を控えるなどが有効で、この点も人間と一緒。
しかし、伊藤動物病院(埼玉県)に取材したところ、「犬や猫の場合、花粉症という病名がつくことは現在のところない」とのこと。というのも、何に対してアレルギー反応が起こっているのかを検査するのが難しく、「特定のシーズンになると症状が現れたり、それが薬で収まったりするから、おそらく花粉症なのだろう」というところまでしか分からないのだとか。
また、犬や猫の場合、皮膚がかゆくなるケースが多いことが知られています。これに関しては「よく屋外に出る子だと、草むらで植物を踏むなどして接触性アレルギーが起こることがある」と同院。同じ花粉症ではありますが、人間とは異なる傾向が現れるようです。
ところで、気になるのは「人間以外の動物にとって、花粉症はどれくらいつらいのか」という点。ニホンザルの事例になってしまいますが、淡路島モンキーセンター(兵庫県)は「ひどくなると顔が涙や鼻水でただれ、目が開かない状態になり、えさも食べられず」とブログ上で紹介しています。
さらに人間と違って花粉症の原因を理解することが難しいのか、「そばで何が起こっているのかも分からず、つねにおびえています」との説明も。……花粉に悩まなくていい時代、やってこないかなあ。
(マッハ・キショ松)
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