「同人誌などの印刷製本費の2分の1以内を助成する」名古屋市の制度が話題となっています。どんな制度なのか名古屋市に聞きました。
この制度が紹介されていたのは「広報なごや(平成30年4月号)」。同誌によると対象は「市内で3年以上活動し、年間平均発行部数200部以上の文化研究・文芸創造団体」とあります。コミケで頒布されているような同人誌も対象になるのか名古屋市の担当課に聞きました。
担当者によると、助成の対象となる出版物は「文芸作品」または「名古屋の郷土研究」を内容とするもの。文芸作品とは小説、評論、詩、短歌、俳句、川柳などです。漫画の同人誌が助成の対象になるのか聞いたところ、ここ3年間には前例がなく明確な回答はできないとのことでした。担当者は3年前からこの事業に携わっていますが、前任者からも漫画の申請があった話は聞いたことがないそうです。
助成されるかどうかは、申請を受けたあと、外部の有識者で構成される意見聴取会の意見を聞いて決定されます。そのため、前例がないケースについて担当者の立場からでは回答が難しいようでした。
“コミケで頒布されているような同人誌”といっても内容は多種多様です。「さすがに、エロはダメですよね?」という質問を投げかけてみましたが、「もしそれが、名古屋市に深い関わりを持つ徳川家康の歴史研究だったらと考えると…うーん」と担当者を悩ませてしまいました。申請の際には過去の出版物等も提出するので、申請内容からの個別判断となるようです。
この助成制度の歴史は長く、1969年(昭和44年)に始まったそうです。途中で、助成年数の上限を5年にするなどの制度変更はあったものの、市民の出版推進・文化活動の支援のため、長年続いてきた事業だそうです。実情に合ってないのではという声もあるが、いまのところすぐに大きな変更をする予定はないとのことでした。
(高橋ホイコ)
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