アイドルグループ「TOKIO」の山口達也さんが強制わいせつの疑いで警視庁から書類送検され、グループの今後の活動に注目が集まる中、Twitterでハッシュタグ「#今度は福島がTOKIOを応援する番だ」が盛り上がっています。東日本大震災の直後に風評被害にあった福島県をTOKIOがいかに支援してくれたか表明するムーブメントですが、一方で「被害者の気持ちを無視してやることではない」と批判もあり、賛否両論を呼んでいます。
TOKIOと福島県の関係は深く、メンバーたちは冠番組「ザ!鉄腕!DASH!!」の企画「DASH村」で、2000年から2011年3月の福島第一原子力発電所事故まで福島に通う日々を続けていました。事故から半年後、番組企画でDASH村の現状を調査したり関係者の避難生活の様子を追ったりした他、2012年から4年にわたってノーギャラで福島県のイメージキャラクターを担当。放射能汚染の風評被害を受けていた福島の農産物をPRし、その功績から2016年には内堀雅雄県知事から感謝状が贈られました。
山口さんは2月に自宅マンションで女子高生に無理やりキスをしたとして強制わいせつの疑いで書類送検され、4月26日に無期限の謹慎を表明。5月1日に起訴猶予処分に。2日の謝罪会見では他のメンバー4人が登壇し、山口さんからの辞表を受け入れて4人で今後も活動していくのか、そもそもTOKIOの活動を続けていくのか、これから考えていくと説明しました(関連記事)。
福島県では庁舎からTOKIOのPRポスターを回収。グループからも解散の可能性も示唆されたことから、Twitterでは「#今度は福島がTOKIOを応援する番だ」が沸き立つ事態に。「した事は消えない。でも、してくれた事も消えない。」「いくら検査をしても風評被害は消えず、福島の作物は苦労を嘲笑うように買い叩かれた。そんななかで彼らは、福島の顔になってくれたんだよ」と、TOKIOがしてきた復興支援と感謝の気持ちを投稿し、グループを応援するムードを盛り上げています。2日にハッシュタグはトレンド上位に入った他、モーメントにもまとめられました。
一方で、被害者の気持ちを置き去りにしたムーブメントに「山口が性犯罪を犯した事実も消えないからね。今はTOKIOを応援するタイミングではない」「この件はこうやって被害者は無視されて"TOKIOの物語"に吸収されていくのかな」と疑問の声も。また「『福島』という、意味の強い言葉を使って良い話にすり替えるのは良くない」「そもそも連帯責任なんて取る必要がないのだからこれを『TOKIOの問題』にすること自体がおかしい」と、問題の本質を見えなくする動きに批判の声も上がっています。
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山口達也さんは女子高生への強制わいせつの疑いで警視庁に書類送検されたと報じられていました。