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スマホでの商品購入者、約4割が注意書きを見落としてサービスを誤認 消費者庁が注意喚起

割引サービスなどは制約がないか確認を。

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 「初回無料」「特別割引」などと“お得感”を強調表示する広告に、「一定期間の継続利用者に限る」「別途有料サービスの契約が必要」といった制約が併記されているケースは多々あります。この「打ち消し表示」に関する実態調査の結果を、消費者庁が発表しました


広告例 「※」から注意書きまでが遠い広告、あるある

 2017年に実施した調査では、広告がスマートフォン用表示の場合、「打ち消し表示が小さい」「強調表示のある画面からスクロールしないと打ち消し表示が見られない」といった実態が判明。これを踏まえて、今回はスマホユーザー1000人を対象に意識調査を行いました。

 調査にあたり、「2週間無料」をうたうオンライン英会話サービスや、モバイル通信サービスの割引プランなど、5パターンのサンプル広告を作成。打ち消し表示がボタンをタップして初めて表示される「アコーディオンパネル」形式のものや、注文ボタンを押すと注文フォームまでスクロールするため打ち消し表示を見過ごしやすいものなど、詳細が分かりにくいパターンも含まれています。


広告サンプル 健康食品を想定したサンプル。申し込みボタンを押すと、打ち消し表示を通過して注文フォームまで移動する(消費者庁の資料より)

広告サンプル アコーディオンパネル形式のサンプル。ページ下部にある「よくある質問」枠の各項目をタップしない限り、細則が分からない(消費者庁の資料より)

広告サンプル 上記健康食品のサンプルと同様、注文ボタンを押すとスクロールするパターン。こちらはボタンが画面下部に固定表示されている(消費者庁の資料より)

広告サンプル 通信の割引プランを想定したサンプル。他のプランの併用が必要となることや、申し込み期限などがごく小さく記載されている(消費者庁の資料より)

広告サンプル ダイエット食品広告のサンプル。こちらも注意書きの表示は小さいが、強調表示の近くにある分、まだ把握しやすいほうではある(消費者庁の資料より)

 各サンプルに対するモニターの反応を総合すると、68.2〜94.3%が打ち消し表示を見落としていたと回答。最大となる94.3%の集計結果が出たのはアコーディオンパネルを用いたサンプルで、44.9%がいずれの項目も表示しなかったといいます。注文ボタンを押すとスクロールするサンプルでは、77.1〜87.4%が見落とし。そのうち15.6〜26.8%が「自動でページの下に移動するので気付きにくい」と答えています。

 モニターのうち551人はスマホ経由での購入経験があり、その39.2%が打ち消し表示を見落とし、誤認して注文したことがあるとの結果も。アンケート全体では66.5%が「目に留まった情報だけを拾い読みする」と回答しており、それも一因と考えられます。それでも、表示の分かりにくさのほうが要因としては大きいでしょう。

 消費者庁は事業者に対し、「強調と打ち消しが同時に認識できるように」「強調と打ち消しで文字や背景の色を統一」など、表示の改善を求めました。消費者に対しては、広告に興味を引かれた場合は、打ち消し表示がないかすみずみまで見るよう注意を呼びかけています。


(沓澤真二)


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