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「トラックが線路を走ってる!」「さらに変形して道路を走り去ったぞ!?」 渋谷で謎の鉄道車両が目撃、アレは一体何だ?(1/2 ページ)

その名は「軌陸車」。今や鉄道工事に欠かせない車両だそうです。(写真70枚)

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 「トラックが線路を走っている!」とJR渋谷駅〜原宿駅付近で目撃された謎の鉄道車両が話題になっています。「えぇぇ!?」「アレですよアレ」「知ってはいたが、走っているところははじめて見た」反響もさまざまです。

軌陸車が走ってくる 線路の上をトラックが走ってる!(素材提供:ひらやま195さん)

 トラック、どう見ても「道路」でよく見かけるトラック。それがスィ〜ッと線路の上を軽やかに走行しています。タイヤが動いていないので、空中浮遊して移動しているようにも見えます。そして、踏切付近で止まったと思ったら“トランスフォーム”し、90度ターンして今度は普通に道路を走り去っていったそうです。これは鉄道車両なのでしょうか、トラックなのでしょうか……。

軌陸車が近づいてきた どう見てもトラックだー。よく見るとタイヤは浮いています

軌陸車が走りさる 後ろから見てもやっぱりトラックだー

作業員が車輪のあたりを見ている 止まりましたね。作業員が何かしてタイヤが地面に付きました

右折した あれ、車両が右折した

道路を走り去る やっぱ普通に道路も走れるのかー

 この謎のトラックが目撃されたのは2018年5月26日の夕方のこと。この日は渋谷駅の線路切り替え工事が行われていました。ひらやま195さんの投稿に反応した詳しい人から、「これは軌陸車(きりくしゃ)だ」「ユンボタイプもあるんだよ」などとコメントが続々と寄せられます。

 軌陸車とは一体何でしょう。鉄道工事用の特殊車両の製造、販売、レンタル、開発、整備などを手掛ける軌陸車テックさんに詳しい話を聞きました。

軌陸車テックサイト 軌陸車テックのWebサイト

── (話題の動画を見てもらい)この線路上を走っている車両、ずばり軌陸車ですか?

 そうですよ〜。「軌陸車」は道路走行用の車両に線路走行用の車輪を追加した車両です。ダンプカー、クレーン車、高所作業車などに可動式の車輪を追加し、線路も走れるようになっています。当社では「鉄道用三転ダンプ」などを販売しています。

軌陸車の種類 軌陸車にも工事用途によって種類がいろいろある(軌陸車テックサイトより)
軌陸車の種類 軌道車テックの「鉄道用三転ダンプ」

── どういうときに使うんですか?

 鉄道の工事や保守業務に使います。線路には一般的な道路用の工事車両が入れないので、鉄道工事には軌陸車を使うのです。軌陸車がなかった数十年前は、人手で資材を運んでいました。大変でした。今では軌陸車なしに鉄道工事はできませんね。

── どうやって線路に入るんですか?

 よくある方法としては踏切からですね。軌陸車は油圧で線路用の車輪を出し入れできるようになっています。軌道の位置に合わせて線路用の車輪を出せば、線路に乗ります(「載線」といいます)。踏切から入り、90度ターンして載線できる「転車台」を搭載するモデルもあります。

── ところで、軌陸車の運転にはどんな免許が必要なんですか?

 実際の業務でどんな免許が必要かは鉄道会社などによります。法律上の話であれば、線路上を走るだけならば免許はいりません。公道を走るときには、元の車両に応じた運転免許が必要です。



 このように軌陸車は鉄道工事に欠かせない愛すべき車両。ファンが多いのにもうなずけます。中型車8t仕様もあるので、2007年6月以前に普通自動車免許を取得し、免許証の条件欄に「中型車は中型車(8t)に限る」とある人ならば公道で運転できます。ちなみに、渋谷駅の線路切り替え工事は6月1日〜3日にも行われる予定。また軌陸車の働く姿が見られるかもしれませんね。

素材提供:ひらやま195(@hiiq195)さん

高橋ホイコ

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