漫画家・谷口ジローさんの名作『犬を飼う』シリーズが、カラー原稿を完全収録して谷口さんのエッセイなどを加えた単行本『犬を飼う そして…猫を飼う』となって、6月29日に小学館から刊行されます。
『犬を飼う』は谷口さんが1992年に発表した読み切り作品。谷口さんの飼い犬が15歳で死んだ実体験をもとに、老いた愛犬が徐々に死に近づいていく姿と、それを最後までみとる夫婦の生活を丹念に描いた物語です。夫婦が愛犬の死後、行き場をなくしてやってきた猫たちと暮らす続編『そして…猫を飼う』と合わせ、全4話のシリーズ作品となっています。『ビッグコミック』掲載後に反響を呼び、小学館漫画賞審査委員特別賞を受賞。
新装版となる単行本ではシリーズ4話に加え、谷口さん自身が飼った犬、猫たちとの生活について書いたエッセイ『サスケとジロー』(全1万6000字超)、さらには後期の犬漫画の傑作『百年の系譜』を収録。全ての原稿を新たに製版し、カラー画稿は全て4色印刷となる決定版となります。
価格は1296円。公式Twitterアカウント(@inu_wo_kau)も立ち上がり、『犬を飼う』シリーズの貴重な原画の写真を公開しています。
担当編集コメント
本書は、谷口ジロー先生がご自身の経験に基づき、年老いた愛犬を看取るまでを描いた、悲しくも感動的な物語です。発表から26年が経過し、谷口先生も亡くなられましたが、作品の持つ輝きは、今も全く褪せていません。むしろ、老犬の介護問題や、お子さんがいらっしゃらない家族にとっての犬や猫の存在を描いていることで、今こそ多くの人に、感じていただける部分のある作品ではないかと思います。小学生以上のすべての世代にお読みいただける内容ですので、幅広い世代の方に手に取っていただければと思います。
(黒木貴啓)
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