最短30分で医師が家に来てくれる「ファストドクター」に助けられた漫画が話題に 運営会社に話を聞いた(2/2 ページ)
高齢者の対応から始まったという「ファストドクター」。一体どのように運営されているのでしょうか。
―― ファストドクターはいつ頃から始まったサービスですか。
メディサイド:2016年2月からです。
―― 始めたきっかけはどのようなものだったのでしょうか。
メディサイド:そもそもサービスを始めた理由は、高齢者の対応です。
軽症の高齢患者様が、高額な税金の掛かった救急車を使って病院に行く、という話は聞いたことがあると思います。年齢的に最優先で診察せざるを得ないのですが、検査不要・応急処置程度の方も多くいらっしゃいます。
そういった状況への打開策として、「歩けないから救急車を使う」のではなく、「歩けないなら、まず往診に伺いますよ」という方向に持って行くことで、税金で賄われている医療費の負担を減らしていきたいですね。
―― サービスを始める上で苦労した点はありましたか。
メディサイド:現在は医師の人数が70人以上いますが、夜間医療体制に思いのある医師の確保やドライバー・オペレーター組織の構築に苦労しました。現在は100人以上の体制でファストドクターを運営しております。
―― 担当医は普段は病院に勤務しているのでしょうか。
メディサイド:多くの医師が平日昼間は首都圏の大学病院・総合病院に勤務しております。
―― 1日何件ぐらい利用者がいますか。
メディサイド:100件以上の医療相談があり、症状や状況により医師が往診の必要ありと判断した場合は往診を行い、多い時で50件程度の往診を行います。
―― 往診という形で何度も指名できるのでしょうか。
メディサイド:指名は出来ません。外傷などは整形外科医が往診にいくなど、症状によって適切な科の医師に依頼しています。
―― 今後利用者が増えていく可能性もありますが、リソース確保や病院との提携などは進めているのでしょうか。
メディサイド:医師の確保は常に行っております。月に2〜5人程度の医師が新たに参画しています。医療機関の連携も行っております。
―― 直接病院に行くのに比べて、診れる範囲は限られますか。
メディサイド:MRIやCTなどの精密検査を必要とする場合は往診では対応出来ませんが、感染症の検査などクリニックに受診するレベルであれば同等の対応が可能です。お薬も70種類以上用意しております。
―― 緊急性が高い場合は救急車を呼ぶこともありえますか。
メディサイド:はい。重症度が高いと医師が判断した場合はその場で救急車を呼び、スムーズに救急隊への引継ぎを行います。
―― 漫画内で「行政から助成金が出ている」という医師のせりふがあるのですが、事実でしょうか。
メディサイド:乳幼児医療費助成制度(マル乳)のことだと思います。医療証をお持ちであれば、自治体の医療助成を受けることが出来ます。
訪問ということでコストがかかっていそうな「ファストドクター」ですが、むしろ医療費の負担を減らすために作られたというのは驚きです。今後は東京だけでなく、地方の都市にも広がっていってほしいサービスですね。
【更新:2019年4月9日20時30分 株式会社エバーセンス社との連携の件に関して情報を修正しました。】
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