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「きゅうりは世界一栄養がない」「食べると逆にビタミンCが壊れる」って本当? “きゅうりダメ野菜伝説”を検証してみた

「ギネス世界記録に登録されている」なんていわれていますが……?

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 きゅうりは「世界で一番、栄養がない野菜」としてギネス世界記録に登録されている――そんなうわさを聞いたことはありませんか? この話についてはGuinness World Recordsの公式サイト上で否定されており、実は正確ではありません。

 今回はそんなきゅうりの雑学をご紹介します。



「きゅうりは世界一栄養がない野菜」はウソ

 ギネス世界記録では、きゅうりが“ある分野”で世界一の食べ物として登録されているのですが、この記録は「Least calorific fruit(最もカロリーが低い果実)」というもの。

 確かにカロリーも栄養の一種ではありますが、ビタミンをはじめとしたその他の栄養素については一切言及されていないのです。

 実際のところ、きゅうりにはビタミンCやカリウムなどが含まれているほか、ぬか漬けにすることで栄養価が高まることも知られています。少なくとも、うわさされているほどの“ダメ野菜”というわけではなさそうです。


Guinness World Records公式サイトによる記事。記録名が「Least calorific fruit」であることは、同サイトから検索しても確認できます(アカウント登録が必要)

 また、ネット上には「きゅうりにはビタミンCを破壊するはたらきがある」とする、こんなコピペも。

キュウリの90%以上が水!だがキュウリにも栄養価がゼロと言う事はない!なんと!キュウリの主な栄養素はビタミンC!あのビタミンCだ!すごい!!!なんとイチゴの1/4のビタミンCが含まれてる!!!

なななんと!

さらにアスコルビナーゼという酵素も含まれている!

さらになななななななんと!

そのアスコルビナーゼという酵素はビタミンCを壊す働きがある!

馬鹿だろこいつ



さまざまなWebサイトに掲載されている、きゅうりの残念なコピペ。オチはばっちりだけど、どこまで本当なんです?

 ビタミンCには「還元型」「酸化型」があり、きゅうりやにんじんなどに含まれるアスコルビナーゼには、還元型ビタミンCを酸化型に変えるはたらきが。コピペ上ではこれを「ビタミンCを“壊す”」と表現しているようです。

 しかし、日本食品分析センターによると、アスコルビナーゼとは反対に、人体内では酸化型→還元型への変化が起こるため、血液中などのビタミンCのほとんどは還元型になっているのだそうです。

 このようなことから「(コピペ上では“壊れたビタミンC”とされている)酸化型でも、還元型でも体内でのはたらきはほとんど変わらない」と説明されることがあります。

主要参考文献


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