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教育委員会がブロック塀の実態調査をPTAに丸投げ? PTAは「無資格」と賛否両論、横浜市に意図聞いた(1/2 ページ)

建築のプロではないPTAが調査をすることに問題はないのかと議論に。

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 「横浜市教育委員会からブロック塀調べ丸投げキタヨー!」というPTA役員のツイートが議論を呼んでいます。建築のプロではないPTAがブロック塀を調査することに問題はないのか、横浜市教育委員会に依頼の意図を聞きました。

 建築基準法の基準を超える高さのブロック塀が、大阪北部地震の影響で倒壊したことにより、登校中だった小学生が亡くなるという痛ましい事故が起きたのは6月18日のこと。翌19日には、文部科学省がブロック塀に関する緊急点検を要請するなど、全国各地で調査が行われています。

 そんな中、小学生の娘を持つゆかこ(@yukako102076)さんが「横浜市教育委員会がブロック塀の調査をPTAに丸投げした」とツイート。「PTA役員が!子どもたちの通学路の!ブロック塀を!調査して報告しないといけないそうです!早急に!無償で!建築法にはど素人の保護者が!なにこれ?誰に文句言えばいいの?」との意見に賛否両論が集まっています。


ブロック塀 教育委員会 PTA 国土交通省が発表した「ブロック塀の点検のチェックポイント」。このような塀を見つけたら注意が必要(国土交通省より)

 ねとらぼ編集部が詳しくお話をうかがったところ、ゆかこさんの娘さんが通う学校では教育委員会から「スクールゾーン協議会などの協力を得ながらブロック塀の調査を行うように」という要請があったことから、6月25日にPTA役員に対して調査協力の連絡が来たとのこと(※)。

(※)実際の調査を誰が行うのかなどは学校や各自治体によって異なるようです。

 担当エリアのブロック塀調査を始めたゆかこさんは、「いくつかこれは……? と思うものはありましたが、やはり調査対象となるのかどうか微妙なものを判断するのは難しいと感じました」「メジャーで高さを測ったりせず目視でいいと言われたので、それで本当に大丈夫なの? という不安もあります」と、建築の素人であるPTAが調査を行うことへの不安をにじませました。

 また教育委員会からの調査の要請については「納得がいかない」としたうえで、「子どもたちの安全のため、保護者も協力すべきだというのは分かっているので、みんなとりあえず調査しています」とゆかこさん。「素人ばかりで見て回っても、本当に意味があるのだろうかとは思います」と率直な気持ちを明かしました。

 大阪での死亡事故では事故後、無資格の高槻市職員がブロック塀の点検を行っていたことなどが発覚。ずさんな点検が事故の大きな要因だとする意見も多いことから、今回のツイートに対しても、「もしそれで倒壊が起こったら、点検したPTAの自己責任とでも言うのでしょうか」「無資格検査が問題なのに……」「役所もPTAが専門外な事は重々承知してるはずなのに、どういう意図で依頼したのか……」などのリプライが寄せられました。また「大阪ですが、その調査依頼うちの学校にもきました!」と同様の調査依頼を受けたとする意見もありました。

横浜市教育委員会に調査依頼の意図を聞いてみた

 こうした調査依頼はどのような意図で要請されたものなのか。ねとらぼ編集部は同調査を依頼した、横浜市教育委員会健康教育課に取材を申し込みました。

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