教育委員会がブロック塀の実態調査をPTAに丸投げ? PTAは「無資格」と賛否両論、横浜市に意図聞いた(2/2 ページ)
建築のプロではないPTAが調査をすることに問題はないのかと議論に。
――横浜市教育委員会から学校に対して、ブロック塀の調査を行うよう要請したのは事実ですか。
市教委:事実です。スクールゾーン協議会(PTAや地域の方などを中心に交通安全のためにひらかれたもの)などの協力を得ながら、という形でお願いしております。
――素人の目視で調査をして大丈夫なのかという不安の声も上がっています。
市教委:今回お願いしているのは調査というよりも、目で見て判断できる範囲で「要件を満たしているブロック塀があるかどうか」を知らせてほしいというものです。鉄筋が入っているかどうかなど専門的な知識は要しませんので、特に問題はないかと思います。
――具体的には、どういったブロック塀を探しているのでしょうか。
市教委:高さ120センチを超えて220センチ以下のブロック・石・れんがなどの塀(木塀や金属製フェンスを除く)で、著しいひび割れや傾斜、破損が生じているもの。または高さ220センチを超えるブロック・石・れんがなどの塀(木塀や金属製フェンスを除く)です。発見された場合には、地図上での位置や住所などをお伝えいただくようにとお願いしています。目安としてはブロック6段で約120センチ、11段で約220センチになります、とお伝えしています。
――もし怪しいブロック塀が発見された場合はどうなるのでしょうか。
市教委:該当するブロック塀が発見された場合には、横浜市の専門職員等が現場確認を行い、問題があると判断された際には改善指導を行っていく予定です。
――PTAの役員さんなど、皆さん真剣に対応をされていると思うのですが、万が一チェック漏れなどがあった場合はどうなるのでしょうか。
市教委:漏れないとは信じておりますが、基本的にブロック塀の不備というのはその塀を所有する方が責任を有しているので、所有者ご自身で安全点検をしていただくことも大切だと考えています。横浜市の公式サイトでも注意喚起しているので、ぜひ確認をお願いしたいです(横浜市による注意喚起)。
また横浜市教育委員会の担当者によると、横浜市のメールフォームに、「PTAにブロック塀の調査を任せていると聞いたが大丈夫なのか」「専門家が対応すべきでは」といった意見が寄せられているといい、都度、同様の説明を行って理解してもらっているとのことでした。
今回のケースでは、教育委員会から複数の人を介してPTAに情報が伝わったため、専門性の求められる調査だと誤解されてしまった可能性が考えられますが、真意が伝わっていなかったのだとすれば、それはそれで問題です。該当の調査を依頼されている専門家以外の人はあらためて何をチェックするべきなのかを確認しておいたほうが良さそうです。
また調査を求められていない場合でもブロック塀が身近にある環境の方は、国土交通省のチェックリストを確認しておくと良いでしょう。
(Kikka)
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