歴史資料館でなぜゲーム展? 城陽市歴史民俗資料館で「CONTINUE 〜“ゲーム”90年の歴史〜」開催中
城陽市歴史民俗資料館にて、9月2日まで開催。盛況ぶりを取材しました。
京都府の城陽市歴史民俗資料館が、夏期特別展「CONTINUE 〜“ゲーム”90年の歴史〜」を7月7日から催しており、連日人気となっています。ゲームの展示会は近年増えていますが、公営の歴史資料館で開催されるとは珍しい。
ファミコンからNintendo Switchに至るまでの任天堂製品や、SG-1000からドリームキャストまでのセガ製品、プレイステーションやXboxなど、同館所蔵の家庭用ゲーム機を中心に展示。テレビテニスやオデッセイといった黎明(れいめい)期の機種や、スペースインベーダーなどのアーケード筐体もそろっています。
野球盤や黒ひげ危機一髪など、アナログゲームも豊富。さらに1980年代から発行されているゲーム専門誌や攻略本もと、盛りだくさんの内容となっています。
開催から約2週間、会場は盛況と聞き、編集部は同館を取材しました。ゲームの展示は開館から約30年で初となる試みで、行政がゲームの展示を扱うのは全国的に見てもかなり珍しいとのことです。
きっかけは2008年開催の、昭和初期〜末期の玩具を扱った「昭和のおもちゃと子どもの遊び」展。このとき城陽市最後の玩具店から寄贈された資料の中に、ファミコンやスーパーファミコン、プレイステーションがあり、今回はその続きという主旨で、「おもちゃからゲームへと遊びの文化は変化した」をテーマに企画したのだそうです。
展示の背景には、アニメやゲーム、漫画を保存し残していこうとする文化庁の動きもありました。海外では既にゲームの展示会や博物館が実現しており、日本でもゲームの収集・保存・展示で観光客を誘致できないかといった意図も込められているそうです。
開催後の会場は平日でもにぎわいを見せ、9日間で760人・1日平均80人以上と、普段の3倍ほどの来場者があったとのこと。プレイ経験のあるゲーム機を見た人は懐かしい表情で思い出を語り、世界で20台しか現存していないような、未知の機種に感激する人も多いそうです。リピーターも多く、また開催してほしいとの意見もあるとのことでした。
同展示会は9月2日まで開催(月曜日および8月14日は休館)。入館料は大人200円、小中学生100円となっています(市内在住の小中学生や65歳以上、身障者手帳等の所持者は無料)。また、8月26日には同館のある文化パルク城陽で、立命館大学ゲーム研究センター長・上村雅之氏の講演会が関連事業として催されます。
(沓澤真二)
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