ある日彼女が透明人間になった。存在は感じるのに、その姿は見えない。彼女の姿をもう一度見たい――そんな恋人の思いを描いた漫画が、切なくて胸が締め付けられます。
「ある日、僕の彼女は透明人間になってしまいました。いつも僕のそばに居るんです」と屈託のない笑顔で話す彼。透明人間になってもそばにいる彼女のために、以前と同じように一緒のベッドで寝て、飲み物を淹れ、食事を用意する生活を送っています。しかし、誰も彼女が透明人間だと信じません。
「どうして君は見えないのに、彼女が透明人間になったと分かるの?」と問うカウンセラーに、彼は答えます。「突然見えなくなったからです。本当に! 目を離したのはほんの一瞬だったんです」。姿は見えないけど、存在を感じているという彼。
そんな彼の最近の悩みは、「毎日何度も訳も分からず涙が出る」こと。「君は彼女が透明人間から普通の人間に戻って欲しい?」と尋ねるカウンセラーに、彼は「早く彼女の顔が見たいし話がしたいです」と即答。
「愛するものはどうしたって透明にはなれないんだ。君が彼女を望むなら、君の涙の意味を思い出さないと、君の中の彼女は透明人間のままだ」――カウンセラーは彼にこう助言するのでした。
漫画の最後は、ある日車で事故に遭う2人の姿が描かれています。病院に搬送された彼が目を覚ましたときには、隣に彼女の姿はありませんでした。そう、彼女はもう……。
彼女の顔をまた見るためには、その現実に向き合うことが必要だと、カウンセラーは伝えていたのでした。
彼が自分の気持ちと、失った彼女のことをうまく消化できる日はくるのでしょうか。訳もなく涙を流す理由が分かったら、彼女の面影を見ることができるようになるかもしれませんね。
創作漫画「ある日、僕の彼女は透明人間になりました」の作者はTwitterに漫画やイラストを投稿している杉Eナ(@9Gen22)さん。Twitterでダークファンタジー系やメリバ(メリーバッドエンド:受け手の解釈によって幸福と不幸が入れ替わる結末)など、多くの創作漫画を投稿している他、オリジナルグッズ作成・販売サイトSUZURIでイラストを使ったグッズの販売をしています。
画像提供:杉Eナ(@9Gen22)さん
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