前日の予行から本番までぶっ通し! 写真380枚で振り返る「平成30年富士総合火力演習」総力特集(2/3 ページ)
総火演のほぼすべてを撮影してきました。【写真380枚】
ド迫力の本番「公開演習」の様子
演習は、陸上自衛隊が持つ防衛力と戦車や大砲、車両などの具体的な装備を紹介する「前段演習」と、奪われた島嶼(とうしょ:大小さまざまな島のこと)を奪還する防衛シナリオに基づいた模擬演習となる「後段演習」の二部構成で行われました。演習の合間にも点検射撃(練習)が行われたり、紹介ビデオが上映されたりするなど、早朝から訪れた来場者を飽きさせない進行・演出にも毎回感心させられます。
多くの観覧者がくぎ付けになるのは戦車の発砲シーンですが、それ以外にも「偵察教導隊(偵察用バイク部隊)がアヒルのおもちゃをジャンプ台に奉納して安全祈願を願う」ところや、「演習前の整備でさまざまな重機が整地作業する様子」なども注目を集めていました。
数年来観覧する中で2018年に大きく変わったのは「74式戦車」が見られなかったことです。74式戦車が配属部隊から全て引退したわけではありません。しかし、戦車として広報する演習の参加車両(装備)からは外れたということになるのでしょう。74式戦車の油圧式姿勢制御システムによる稜線射撃が見られなくなったのは少し寂しいものです。
その代わりに目立ったのが「16式機動戦闘車(MCV)」(関連記事)でした。MCVは、戦車の主砲に匹敵する大口径砲を備えつつも、履帯ではなく全8輪のタイヤを装着します。戦車よりも素早く高速に、小回りの効いた動きが可能です。
さて、総火演では数年前から「島嶼防衛」を想定した演習シナリオを採用し、その練度を示してきました。2018年版のシナリオはやや変更が加えられました。具体的には、敵レーダーや通信を使用不能にする「電子戦」や、妨害された通信網の代わりに衛星通信を代替投入する演習など、より実践的な内容となりました。
また登場する部隊もそれにその指針に沿っています。島嶼防衛など現代の防衛シナリオでは、「即応機動連隊」を中心に展開します。即応機動連隊は、16式機動戦闘車(MCV)をはじめ、「96式装輪装甲車」(関連記事)などの機動力のある車両、迫撃砲などの強力な火力を持ち、輸送機、ヘリコプター、船舶などですばやく展開できるようにパッケージ化された部隊です。
「公開演習」フォトギャラリー
ちなみに総火演は毎回募集倍率がかなり高い狭き門ですが、それだけハマってしまった人が多いイベントといえます。総火演は例年6月ごろから応募受付が始まります。ちょっとでも「あ、楽しそう、見たみたい」と思った方、まずは応募からチャレンジしてみてはいかがでしょうか!
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