防衛省が当初「存在しない」としていた自衛隊イラク派遣時の活動報告書(日報)を16日に公開。全文書を朝日新聞がWeb上に掲載したところ、内容が「案外ほのぼのしている」とSNSで話題になっています。なお、ほのぼのしているのは隊員による「日誌」部分で、他の部分は結構殺伐としています。
ねとらぼ編集部でも防衛省に行き、日報のデータをもらってきました。ブログやエッセイのような文章だとして人気を博しているのは、日報内の日誌コーナー「バグダッド日誌」と「バスラ日誌」。
具体的なエピソードとしては、執筆者が思い切って坊主頭にしたところ、韓国のLO(陸中佐)が会うたびに「南無阿弥陀仏」と言って拝んでくるという小話や、オフィスでアメフトのキャッチボールをしていてプリンタを壊してしまったという失敗談。日本のテレビは衛星放送との契約により映るが、放映権の関係でサッカー・ワールドカップが映らないことを残念がる様子など、日々の何気ない出来事や、現地で見聞きした情報がつづられています。
固有名詞など、機密にあたる部分は黒塗りとなっていますが、隠されている部分は基本的に文意に支障をきたさない程度。ただし、中には広範囲に渡って文章が黒塗りされているページもあり、Twitterでは中身をもっと読みたかったためか「『なんちゅうことをしてくれたんや…』という気分になっている」と残念がる反応も見られます。
日常系アニメのようなゆるさで楽しめる同日誌ですが、中には任務遂行にあたっての高いプロ意識や、平和への思いをにじませる箇所も。緩急を付けてのびのびと書かれた日誌に、Twitterでは「読み物としてほんとうに面白い件」「全部読みたい」「オープンワールドゲーとかでストーリーを補強する拾得物っぽい良さ」と、称賛の声が多数あがっています。
ただし前述の通り、エッセイのように書かれているのはあくまで全体の一部分。全体に目を通すと人員・装備品の配備状況や具体的な活動報告、当時イラクで発生していた「事案」の発生件数などがまとめられており、緊迫した様子も読み取れます。
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